1歳半~2歳

夏の水分補給、飲み物の種類や温度が気になります。

1歳半の男の子です。暑くなってきたので水分補給を積極的にさせているのですが、キーンと冷えたお茶などをぐいぐい飲んでいて、おなかが冷えないか心配です。飲み物は温度にも気を付けたほうがよいですか? また、おとなの飲んでいるものを欲しがるようになり、与えてよいのか迷います。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

おなかの調子がよければ冷たくてもOKですが、胃腸の調子に影響することも。

1歳を過ぎていて、冷たくても嫌がらず、飲んだあとも下痢や腹痛など変わったことがないのなら、飲ませてかまいません。ただ冷たいものを一気にたくさん飲むと、胃腸の温度も下がり、働きが悪くなって消化能力が落ちてしまいます。
冷たい飲み物は口あたりがよいので欲しがることも多いと思います。たとえば小さめのコップを用意し、1杯目の50mlくらいは冷たい水や麦茶などを飲ませ、2杯目の50mlは常温の水を足してぬるめにするなど、調整してもよいでしょう。

判断に迷う飲み物は、まずは少量から。

次のような飲み物は、はじめからたくさん与えず、ようすを見ながらあげてください。

【牛乳】
1歳を過ぎたら、飲み物として与えてかまいません。シチューなどの料理に使って問題なく食べているのでしたら、はじめは50ml程度から、人肌に温めて飲ませてみましょう。その後、冷たい刺激で下痢になったりしないようでしたら、冷たいままあげてかまいません。


【炭酸水】
無糖のものは喜んで飲むのなら、1歳を過ぎるころから与えても問題ありません。ただ、たくさん飲むと胃がいっぱいになって食欲不振になったり、のどや胃の粘膜に刺激が強すぎることも。最初は少量から与えましょう。
糖分の入った炭酸ジュースなどは、甘さが強くクセになりやすいので、味覚の発達を考えると3歳頃まで控えた方がよいでしょう。


【カフェイン入りの飲み物】
カフェオレやミルクティー、緑茶などにも含まれるカフェイン。おとなには眠気がなくなるなどの効果がある一方で、子どもは消化や分解、排出に時間がかかるため、睡眠の質が下がる、精神不安定になるといった悪影響があることも。からだの機能が成長してからの方が安全に飲むことができます。1歳までは与えないようにしてください。

1歳を過ぎて欲しがるようなら、カフェオレやミルクティーは、牛乳にコーヒーや紅茶を風味付け程度に入れたものに。ごく薄くしてあげましょう。市販のものを与えるときも、牛乳に少量を加えるなどして薄めます。緑茶、ウーロン茶なども薄くして(市販のペットボトルなら濃いタイプや特保の認定があるものではなく普通のタイプを選び、2倍程度に)1回にコップ1杯程度、1日1~2杯までにしましょう。

100ml当たりの飲み物に含まれるカフェインの量は、コーヒー60mg、インスタントコーヒー40mg、紅茶30mg、緑茶(煎茶)・ほうじ茶・ウーロン茶20mg、番茶・玄米茶10mg(※1)、エナジードリンクまたは眠気覚まし用飲料(清涼飲料水)は32~300mg(※2)。

カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される1日あたりの摂取許容量については、個人差が大きいことから、日本においても国際的にも設定されていないとのことです。
各国におけるカフェインの摂取に関する注意喚起などでは、18歳までの子どもや青少年について、1日に体重1kg当たり2.5mg(体重10kgなら25mg)がカナダ保健省のめやすとされています。妊婦については1日300mg(世界保健機関機構、カナダ保健省)や1日200mg(欧州食品安全機関)、健康な成人は1日400mg(カナダ保健省) がめやすとなっています。

※1 文部科学省「日本食品標準成分表」2020年版より
※2 市販11製品の成分表示など、2015年12月22日農林水産省調べ

※記事の情報は2023年7月現在のものです。