1歳半~2歳

自分から食べず、食べさせてもらいたがります

1歳半の男の子です。あまりたくさん食べるほうでなく、手づかみ食べもそこそこに、いつも食べさせてほしがります。そろそろ自分から食べるようになってほしいのですが……。

お話: 助産師・保健師 田中 淑恵(たなか としえ)

「空腹」を感じてもらうのが大切です。

小食、ムラ食い、ばっかり食べ、あそび食べ……。1歳半頃になると、いろいろな悩みが出てきます。ですが、食事の目的はしつけではなく、からだと心に栄養を与えること。たくさん食べるように、自分から食べるようにと言われ続けると、やる気がそがれることもあるでしょう。
小食な子だと、栄養が足りないと不安を感じて、先回りしてどう食べさせようかと考えてしまいがちです。おとなもそうですが、おなかがすく前に食べさせていると、人間は空腹感を感じません。まずは運動をして、たくさん遊ぶこと。「おなかがすく」ということを実感するのが一番です。
また、指しゃぶりやおもちゃであそぶことは、食べ物を口に運ぶこととも連動します。あそぶことが「食べる」につながることも多くありますよ。

手づかみよりも、「食べたい気持ち」を促して。

それから手づかみ食べをするかどうかにも、個人差があります。なかには、べたべたする感覚が苦手な子も。手づかみ食べにこだわりすぎず、「食べたい」という気持ちを促すことを優先しましょう。
大まかなめやすですが、スプーンが上手に使えるのは3~4歳頃です。上手に食べられず、食べさせてほしい、甘えたいという気持ちには、まだこたえてあげていいと思います。

食事以外で、気持ちを盛り上げる工夫もいいですね。

食事の時間を楽しむ工夫として、たとえば、こんなアイデアはどうでしょうか。

・「出発進行、がたんごとん、着きましたー」とお皿を汽車に見立てたり、「ぴゅーん、飛行機飛んでまーす、お口にゴール」と、あそびをとり入れる
・買い物をするときに材料を見せたり、調理途中で味見させる
・いっしょに混ぜたり、かけたり、できる部分を手伝ってもらう
・プランターで野菜を育ててみせる
・食事中はテレビやDVDを消す
・可能なら、親子でいっしょの時間に食卓につく

食事時間はあまり長引かせず、20分くらいをめやすに。食べないことを注意するのではなく、食べられたら「おいしいね」と声かけをして、ぜひ、食べた量よりも「楽しく食べたかどうか」を見てあげてください。

※記事の情報は2021年4月現在のものです。