1歳半~2歳

この頃、ささいなことで大泣きすることが多いのです。どうしたらいいの?

2歳の男の子です。あそびに来てくれたおばあちゃんが私のいすに座った途端、息子が泣いて嫌がり、手をつけられない状態になりました。最近、こういうちょっとしたことで大泣きすることが多いのですが、どうしたらいいのでしょう。

お話: 保育アドバイザー 深津 高子(ふかつ たかこ)

おとなにとってはささいな「違い」も、2歳の子には一大事。

「いつもお母さんが座っているいすにおばあちゃんが座った」――おとなにとってはささいなことに思えますが、じつは2歳ぐらいの子どもにとって、これは一大事なのです。
というのも、この時期の子どもは、「いつもと同じ」ことへのこだわりがとても強くなっているから。身じたくの順序、保育園までの行き方、おふろでどこから洗ってもらうかなど、環境や人、ものなどありとあらゆることについて、「同じ」がうれしいのです。それをおとなが勝手に変えると、小さな違いにも敏感に気づき、その変化をとても嫌がる――これは、この時期の多くの子どもに共通する特徴です。

「いつもと同じ」は安心感。次のステップに進む力になります。

「いつもと同じ」であることは、慣れていて心地よい、という以上に、「そうあるべき」というまるで儀式のような感覚。
お父さんが座るところにはお父さん、お母さんが履くスリッパはお母さんの、エレベーターのボタンを押すのはボク、はさみはいつもの引き出しに、といったように、「いつも、そこにあって変わらない」ことがこの時期の子どもを安心させ、その安心感が、さらにまわりの環境を探求していくための土台となります。
それが、おとなの都合で、突然、「いつもと同じでない」状況に置かれたりすると、羅針盤を失った船のように子どもは混乱し、不安になってしまうのです。

「いつもと違う」ときは、まず、声をかけましょう。

大切なことは、まず、いま子どもが「いつもと同じ」にこだわる時期にいることをわかってあげること。そして、これは短期間しか続かないので、そのこだわりを尊重し、できるだけ、いつもの順番やいつもの場所、いつものやり方を崩さないように配慮してあげることです。
それでもどうしても何かを変えたり「いつもと違う」ことをせざるを得ない場合は、あらかじめ子どもに声をかけましょう。
「今日だけおばあちゃんがお母さんのいすに座るからね」「今日は急いでいるから、パン屋さんの前じゃなくて公園の前を通って帰るよ」など、あらかじめ言葉で状況を伝えておくことで、泣いたりぐずったりという大事にはなりにくいと思いますよ。

※記事の情報は2014年12月現在のものです。