7、8カ月頃

なかなか形があるものを食べようとしません

8カ月の男の子です。6カ月から離乳食を始めました。なめらかなペースト状のものは好んで食べてくれますが、少し形があるものだと嫌がり、2カ月たってもいちばんはじめの形状のままです。進め方にコツはありますか。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

飲み込むには、さまざまな動きが必要です。

なめらかなペースト状のものは唇でとりこみ、舌で食べ物をのどの方に送ってごくんと飲み込むだけで食べられますが、形があるものを食べるには以下のような口の動きが必要です。

・舌と上あごの間で押しつぶしたり、歯茎の方に食べ物を送って上下の歯茎でつぶす。

・唾液と混じり合わせ、とろとろの状態にする。

・飲み込む。

赤ちゃんは「まだ自分にはむずかしい」と判断して嫌がっているのかもしれません。焦らず、少しずつ進めていきましょう。

まずは「ぽってり」に挑戦してみて。

まずは、今のペーストの状態から、水分の量を減らして「ぽってり」とした状態にしたものも与えてみましょう。
なめらかだけど、そのまま飲み込むには水分が少なめだな、と赤ちゃんが感じると、唾液と混じり合わせようと口をもごもごと動かすようになります。

次に「簡単につぶれるやわらかさの粒状」にトライ。

赤ちゃんの口が前より動くようになったと感じたら、やわらかく煮たじゃがいもをつぶして、スプーンで成形してあげてみたり、人参をスプーンの背で押すとすぐにつぶれるくらいやわらかく煮て、ダイス状にカットしてあげてみましょう。
初めは、赤ちゃんの舌は前後と上下にしか動かせるようになっておらず、舌を上あごに押し付けてつぶします。充分やわらかくしましょう。
また、ペースト状の食品と粒状の食品を混ぜずに分けて与えてみると、うまく食べられる場合もあります。

筋力が増えると、食べられるものも増えてきます。

なかなか進まないように思っても、月齢が進み、からだも大きくなり、運動面でもハイハイやつかまり立ちなどができるようになって筋力がついてくると、上手に形があるものを食べられるようになります。形のある食材にトライするときは、赤ちゃんの好きなものから始めましょう。一度に進めず、1品ずつ形のあるものを増やしていくのがおすすめです。
今は、一番上手に食べられる形状のものを中心にして、少しむずかしい形状のものも試していく時期なんだな、と考え、楽しく離乳食タイムを過ごしてください。

※記事の情報は2021年5月現在のものです。