9~11カ月頃

生ものを食べない赤ちゃんでも食中毒になりますか?

9カ月の子どものママです。生ものは与えていませんが、赤ちゃんでも食中毒になる可能性はあるのでしょうか。食中毒が心配な時季に、気をつけたほうがよいことがあれば教えてください。

お話: 小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)

食中毒の原因は、食べ物全般にひそんでいます。

食中毒というと魚介類や食肉、卵をイメージしますね。しかし食物そのものが原因となるだけでなく、調理器具や人の手指を介して感染することも少なくありません。たとえば、食肉を扱った調理器具を洗わず使いまわしたり、食中毒に感染している人の菌に触れた手指で調理することで、赤ちゃんの食事に菌がついて二次感染します。
食中毒を引き起こす原因となる菌や、注意すべき食品には次のようなものがあります。下記以外にも、O157などの病原性大腸菌などがあります。

・腸炎ビブリオ
主に魚介類。海水温が15℃以上になると活発に活動するため、夏場はとくに注意を。

・カンピロバクター
主に鶏肉などの肉類。生乳、飲料水にも。

・サルモネラ菌
主に肉類、卵や卵の加工食品。ペットのミドリガメなども保菌していることが多いため、触ったときは手洗いを。

・黄色ブドウ球菌
人の手指を介して感染。おにぎり、サンドイッチなど食物全般。

「付けない」「増やさない」「殺菌する」で予防を。

食中毒を予防するには、次の3つを守ることが大切です。

(1)菌を「付けない」
調理前はしっかり手を洗いましょう。また食事前は子どももいっしょに手洗いをし、清潔なタオルでふきましょう。

(2)菌を「増やさない」
離乳食を保存する場合は、調理後に粗熱がとれたら冷凍室へ。ミルクの作り置きをすることは厳禁です。

(3)菌を「殺菌する」
食中毒を起こす菌は熱に弱いものが多いので、使用後の哺乳びんは熱湯消毒をすると安心です。火を通せるものは食品の内部まで火が通るよう加熱し、再加熱の場合でも十分に加熱しましょう。

※記事の情報は2023年2月現在のものです。