寒いのに子どもが嫌がる! 乳幼児の防寒着、どう着せたらいいの?
小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)
寒さが増してくると、子どもの洋服選びに迷うことが多くなりますね。寒そうだから上着を着せたくても、子どもは嫌がることも…。子どもの防寒着の疑問を小児科医の竹内邦子さんに聞いてみました。
目次
屋外/屋内での防寒着の着せ方は?
- 子どもは薄着にしたほうがいいと聞きますが、どの程度薄着にしたらいいの?
- 乳幼児はおとなにくらべて体温も基礎代謝も高く、よく汗をかくため、1枚少なめにと言われます。しかし、絶対に薄着にさせなければならないということはなく、親と同じ枚数を基本にして、上着は状況に応じて引き算していきましょう。「暑い!」と言われたときには「そんなはずはない」と思わず、臨機応変に脱ぎ着できるような服を選ぶことが大切です。
- 親の感覚で重ね着をさせて外出していますが、寒いのか暑いのかわかりません。目安はありますか?
- 目安としては、背中に手を差し入れて汗をかいているようなら厚着です。その場合は、ジャンパーなどの上着はいらないでしょう。基本的には、親が着ているものを参考にして洋服を選んで。ただし、子どもはよく動き、遊ぶので、動きやすいものを。子どもは、服が重いと活動が制限されて、外気温が低くても脱ぎたくなってしまいます。洋服の枚数を増やすよりも、上着は風をさえぎり、体温を守る軽い素材のものを選ぶとよいと思います。
- 家にいるときのちょうどいい服装は?
- 家のなかは、つい油断して薄着になってしまいますが、冬なら肌着に長袖の上着やズボンがいいですね。寒そうなら、カーディガンやベストなどを上に。室温は、冬の場合は18~23℃くらいが適温。とくに冬は、適度な湿度(40%から60%)を保てるようにしましょう。乾燥するとウィルスに感染しやすくなったり、鼻やのどの粘膜を傷めてしまうこともあります。
- 眠るときスリーパーを着せていますが、ふとんから出てしまうのは暑すぎるから?
- スリーパーの目的は寝冷え防止です。寝ているときに掛けふとんを蹴ってふとんから出てしまうようなら、スリーパーを使うのもおすすめです。ただし、スリーパーが暑くてふとんから出てしまうことも考えられます。寝ている子どもの背中に手を入れて、汗をかいているようなら無理に着せることはありません。
子どもが防寒を嫌がるときは?
- 帽子や手袋を嫌がって、すぐにとってしまいます。
- 帽子や手袋は、自由に動きたいので、嫌がる子どもも多いと思います。無理に帽子や手袋をしなくても、首元や手首をしっかり覆う服で大丈夫でしょう。また、手袋やマフラーなどは、遊具で遊ぶときは、活動の妨げや事故になることがありますのではずして遊びましょう。
- 冬でも綿の下着を着せていますが、真冬は発熱素材の下着を着せた方がいいですか?
- 発熱素材などの化学繊維は、摩擦や、繊維の水分が蒸発しにくい欠点もあり、肌着に使うと、子どもによっては「肌がかゆくなる」「乾燥しやすい」などの肌トラブルの原因になることもあるようです。冬でもよく汗をかく子どもたちの肌着は、吸水性のよい綿素材がおすすめです。
- 冬でも靴下をすぐに脱いでしまいます。冷たくて心配になるけれど、寒くないのでしょうか?
- 子どもが嫌がる理由は、暑い、肌触りが苦手などがあります。無理に履かせるというのも、難しいものですね。室内では靴下を無理にはかせなくても大丈夫です。その分、室温や足に触れる部分のカーペットなどの素材に気を使ってあげましょう。外気温が10度以下になると、案外、しもやけになってしまう子どももいるので、ときどき両手で包んで触って温めてあげましょう。靴下をはいている場合は、湿っているとしもやけができやすくなるので、乾いたタオルでふいて、靴下を替えてあげてください。
寒くないのか心配になりますが、着せすぎることで汗をかいてからだが冷えてしまうことも。おとなが脱ぎ着させやすく、赤ちゃんや子どもが動きやすい服を選んであげたいですね。
※記事の情報は2023年10月現在のものです。