うまく「ねんね」に導くポイント
小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)
なかなか寝つかなかったり、夜泣きが続いたり……。赤ちゃんの「ねんね」は、わからないことが多いもの。赤ちゃんならではの睡眠について、知っておきましょう。
赤ちゃんの睡眠リズムが整うのはいつ頃?
6~7カ月頃から夜にまとめて寝る赤ちゃんが増えてきます。
夜、赤ちゃんに起こされる日々が続くと、夜通し寝てくれるのはいつからなのか気になりますよね。
赤ちゃんの睡眠パターンは、成長にしたがって変化していきます。生後すぐの赤ちゃんは授乳時間以外は寝ています。2~3カ月頃から起きている時間が少しずつ増え、6~7カ月頃から夜まとめて寝る赤ちゃんが増えてきます。1歳半ぐらいまでは午前と午後に1回ずつ昼寝をすることが多く、それ以降は午後に1回というのが一般的なパターンのようです。でも、睡眠のパターンや時間は個人差が大きいもの。「一般的」なパターンから外れていても、心配することはありません。
夜の睡眠に誘うポイント
寝る時間、起きる時間を定める。
徐々に赤ちゃんがまとめて寝るようになったら、毎日の生活リズムを一定にするようにしましょう。できれば朝は7時までに起こし、夜は9時頃までには部屋を薄暗くして、静かに寝られる環境作りを。もし夜型になっているようなら、がんばって30分ずつ起こす時間を繰り上げてみて。リズムが定まってきます。
昼寝を長くしすぎない。
お昼寝で長く寝てしまうと、当然、夜は眠くなりません。夜にまとめて寝る時間が増えてきたら、昼寝は午前と午後、合わせて2時間くらいをめやすに。夕方まで寝ていると夜の睡眠に響くので、よく寝ているようでも、午後4時頃までには起こすようにしましょう。
寝かしつけは、ちょっと涼しくして。
子どもは汗っかきで、とくに寝つくときには少し体温が上がります。布団はおとなより1枚少なめで充分。掛けても掛けても布団から出てしまう場合は「暑い」ということなので、薄いタオルをおなかにのせておくくらいにしましょう。
教えて!Q&A
- 夜泣きが続くときはどうしたらいいの?
- 夜泣きは、昼と夜の区別がつく6カ月頃から始まると言われています。夜泣きで大変なのは家族のほうで、赤ちゃんにとっては健康や成長に悪い影響があるわけではありません。
おっぱいやミルク、白湯やお茶など、なにか水分を与えてようすをみるのもよいでしょう。
いつかは必ず治まるものですが、夜泣きにつきあうのは大変ですね。夜泣きがひどく、どうしようもないときは、だっこして外で夜風にあたると、赤ちゃんもママも気分転換になり落ち着くことがありますよ。
- 何時間くらい寝れば大丈夫?
- 寝つきの悪い赤ちゃんのお母さんから、標準的な睡眠時間を聞かれることがあります。でも「答えはありません」というのが、本当のところ。たっぷり寝ないと機嫌の悪い赤ちゃんもいれば、睡眠時間が少なくても平気な赤ちゃんもいます。起きているときの機嫌がよく、母乳やミルクをしっかり飲んで食欲もまずまずなら、睡眠不足を心配する必要はありません。睡眠のパターンは、環境よりも赤ちゃん一人ひとりの生まれ持った性質と考えて、気長に見守ってあげましょう。
※記事の情報は2024年11月現在のものです。