12~18カ月頃

便がかたくて大泣きします。便秘を解消するには?

1歳3カ月の男の子です。排便時に毎回大泣きするくらい便がかたく、かわいそうになってしまいます。子どもの便秘を解消するにはどうしたらよいでしょうか。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

頑固なときは医師に相談を。

便がかたくて泣いてしまうようだと、便を出すのが怖くてがまんしてしまい、たくさん便をためてしまうこともあります。あまりに頑固なときは、医師に相談しましょう。

そのうえで、家庭で以下のようなことに気をつけると改善することもあるので、ご紹介していきます。

1.水分を意識して飲ませましょう。
2.穀類やいも類で食事の「かさ」を増やしてみて。
3.食物繊維を多く含む食品を1日1度は食卓へ。
4.油脂類を適量使って。
5.生活リズムを整えましょう。
6.もっと小さい赤ちゃんの場合は、授乳量の確認を。

1.水分を意識して飲ませましょう。

離乳が進んで、授乳量が減るこの時期は、水分が不足しがちです。水分が不足すると、大腸での水分吸収が多くなり便がかたくなります。湯冷ましや麦茶などの水分は今までよりも飲ませる機会を増やし、欲しがるだけ飲ませます。食事や間食の後、汗をかいたとき、外遊びやお風呂の前後などに飲ませてみます。常温で(真夏なら冷水でも)、少量ずつ回数を多くするとよいでしょう。食事には薄味の汁物をつけましょう。

2.穀類やいも類で食事の「かさ」を増やしてみて。

便秘のときは、便の量を多くするように、まず「食事のかさを多くすること」が大事です。
食事のかさを増やすポイントは、穀類・いも類をしっかり食べさせること。母乳やミルク、牛乳が多かったり、お菓子や甘いジュース類・脂の多い肉類のように少量でエネルギーが高いものが多いと、それだけでお腹がいっぱいになり、主食の穀類が少なくなりがちです。ごはん・パン・麺はまとまった量が食べられて、食事のかさを増やすことができる食材です。食物繊維が含まれる胚芽米ごはんや、おいもごはん・豆ごはんにしたり、おやつにいも類をとり入れたりしてみましょう。

3.食物繊維を多く含む食品を1日1度は食卓へ。

便の量を多くするためには、食物繊維を意識してとることも大切です。
食物繊維は、野菜類・いも類・きのこ類・豆類・海藻類・穀類・果物に多く含まれています。だんだん野菜嫌いになることが多い時期ですが、根気よく食卓に出し続け、少しずつ慣れてくるのを待ちましょう。いも類、きのこ類、豆類、海藻類も、1日のうち1回は少量でも食卓に出すようにしていきます。

【食物繊維を多く含む食品】
・胚芽米ごはん、食パン、うどん、スパゲッティ、オートミール
・さつまいも、干しいも、里芋、じゃがいも
・大豆水煮、きなこ、金時豆、納豆
・かぼちゃ、ブロッコリー、スイートコーン
・りんご、いちご、キウイフルーツ、バナナ
・しめじ、しいたけ
・のり、ひじき、わかめ  など

4.油脂類を適量使って。

油脂類には、便をやわらかくして出しやすくする働きがあります。
まだ、食事に油脂を使っていないようでしたら、バター、サラダ油、オリーブ油などを少量(1日に小さじ2くらい)を使ってみましょう。

5.生活リズムを整えましょう。

生活リズムを整え、規則正しく食べることも大切です。便は、夜寝ている間に直腸にたまります。目覚めて朝食や水分をとると、便が出やすくなります。朝ゆったりと食事やトイレに行く時間をとれるような生活リズムが大切です。

ただ、無理はせずに、それぞれのご家庭や赤ちゃんに合わせた整え方で大丈夫です。朝は早く起きられないタイプの赤ちゃんや、出勤で忙しいご家庭もあります。毎日の生活で、ゆったりと楽しく食事をしたり、トイレに行く時間を作るようにしましょう。

6.もっと小さい赤ちゃんの場合は、授乳量の確認を。

離乳食開始前や、はじめたばかりの赤ちゃんの場合は、母乳やミルクが足りているか確認します。母乳や混合栄養の場合は授乳量がわかりにくいので、授乳前後の赤ちゃんの体重を測ったり、1~2週間ごとに体重を測定して成長曲線に沿って増えているか確認します。授乳量が少ないと、便の量も少なく便秘しやすくなります。
授乳量が足りている場合は、湯冷ましなどの水分を与えて様子を見ましょう。離乳食を開始していたら、2~3倍に薄めた柑橘や、リンゴの果汁を、1日大さじ1~2杯程度から飲ませて効果がないかみます。

7、8カ月頃以降であれば、ヨーグルトを毎日少しずつ食べさせると効果がある赤ちゃんもいます。月齢に応じて食べられる食材で、上記のことを試してみてください。

※記事の情報は2021年2月現在のものです。