9~11カ月頃

母乳の栄養はだんだん減っていくって本当?

11カ月の乳児です。おっぱいが大好きなのですが、先日「母乳の栄養はだんだん減るらしい」と聞きました。本当でしょうか?

お話: 助産師・保健師 田中 淑恵(たなか としえ)

主な栄養源が”母乳”から”離乳食”になっていきます。

「母乳に含まれる栄養」がだんだん減る、というよりも「母乳から赤ちゃんが得る栄養」が減っていく、ということです。9~10カ月を過ぎ、3回食がだんだん軌道に乗ってくると、必要な栄養の半分を母乳、半分を離乳食からとるようになってきます。しだいに幼児食に進んでいくと、栄養分はほとんど食事からとるようになり、母乳は栄養をとる手段ではなくなっていきます。
とはいえ、母乳やミルク以外のものを食べるということは、地道な練習を繰り返してようやく身につくものです。なかには少食だったり、なかなか離乳食が進まない子どももいますから、積極的に母乳をあげなくてよい、ということではありません。

スキンシップ効果もあるので、母乳をあげる意味はあります。

WHO(世界保健機関)では、2歳までの授乳を推奨しています。栄養を与えるという意味だけではなく、スキンシップの意味や免疫の優位性があると言われているからです。いまはおっぱいが大好き、ということですから、母乳を与えていて問題ないと思いますよ。さまざまな事情で早めに卒乳をすることもあるかと思いますので、絶対に2歳まであげよう、と無理する必要もありません。
ただし1歳頃になると、からだの発育、発達に必要な鉄分が母乳や牛乳だけでは不足しがちになります。離乳食やフォローアップミルクで鉄分をとるようにしましょう。

※記事の情報は2023年10月現在のものです。