ママも子どもも気になる花粉対策
小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)
近年、低年齢化している花粉症。2~3歳頃に発症するケースが多くみられるようになってきました。子どもの花粉症についてはどのように考えればよいのでしょうか?
花粉症について、この時季に気をつけること。
- 外出は飛散の少ない午前中の早い時間に。また花粉予報を確認し、飛散の多い日の外出をひかえる。
- 外出から帰ったときは、玄関に入る前に衣類についた花粉を払い落とす。
- 布団や洗濯物は屋外に干さない。干したら取り込む際に花粉をよく払い落とし、室内に持ち込まない。
教えて!Q&A
- 発症の兆候は?
- スギ花粉が飛び始める2月ごろから、おとなと同じように、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、アレルギー性結膜炎などが起こります。花粉のシーズンに、いつまでも鼻水が止まらない、目をかゆそうにしているなどの様子が見られたら、花粉症を疑ってみてもいいかもしれません。
- お医者さんにかかった方がいい?
- 残念ながら花粉症は一度発症すると完治がむずかしいもの。でも、症状をやわらげてあげることはできます。花粉症かどうかわからなくても、つらそうな症状が見られたら診察を受け、その子の症状に合った薬を処方してもらいましょう。
- 治療にはどんな薬を使うの?
- 効き目の穏やかな抗アレルギー剤の内服薬、点鼻薬、点眼薬などです。子どもの場合はとくに、薬をどういうふうに使ったらいいかを確認することが大切です。受診せずに自己判断で市販薬を使うことは避けましょう。
また、今出ている症状をやわらげる治療ではありませんが、スギ花粉に対して反応しにくくする「舌下免疫療法」という治療を行っているところもあります。これも、医師に相談してみてください。
- 症状を軽く済ませるには?
- いちばん大事なことは花粉に接しないこと。とくに強い治療法が使えない子どもは、花粉を吸わない工夫を心がけ、「飛散量の多い日は外出をひかえる」「布団や洗濯物を外に干さない」など、生活時間や生活の仕方そのものを見直してみましょう。
- 花粉症かどうか知りたいときは?
- 花粉症かどうかは、「血液検査」で花粉に対する抗体を調べたり、典型的な季節性の鼻や目のアレルギー症状があるかなどの「問診」で診断します。ただし子どもの場合、つらい症状があればそれをやわらげるための治療のほうが先決です。検査は少し大きくなってからでもよいでしょう。
まずはかかりつけの小児科医に相談してみるのがおすすめです。専門の耳鼻科や眼科の受診が必要な場合もあるので、自己判断よりも紹介してもらった方が適切に受診できると思います。
※記事の情報は2020年12月現在のものです。