成長に合わせて歯をみがこう
歯科医師 丹野 可奈子(たんの かなこ)
かわいい乳歯を虫歯から守ってあげるには日ごろのケアが大切です。ひとりみがきの練習を始めても、小学3年生くらいまではお母さんが仕上げみがきをしてあげましょう。 子どもの年齢に合わせた歯みがきのポイントを歯科医の丹野可奈子先生に聞きました。
目次
赤ちゃんの歯(生え始め~1歳頃)
みがき方
口の中に触れることに慣れてもらうことが大切なので、無理はしなくて大丈夫。奥歯がまだ生えていない時期ですし、唾液の自浄作用で口の衛生状態を保てるため、神経質になりすぎず、まずは一日1回歯みがきの時間をとれるよう、ゆったり始めましょう。 みがくときは抱っこの体勢で。お母さんやお父さんと密着していることで赤ちゃんも安心しますよ。 また、いきなりブラシを使ってもよいですが、いやがる場合はガーゼや歯みがき用のシートなどでやさしく歯をふくことから始めるのも手です。その後、少しずつブラシへ移行してきましょう。
この時期のポイント
歯が生える少し前から、膝の上に寝かせ、口の周りを触ったり上の歯の歯茎を指で触ったり、あそびのように演出し慣れさせると、その後の歯みがきがスムーズになります。
子どもの歯(2歳以降)
みがき方
仕上げみがきと並行して、ひとりみがきの練習も始めていい時期です。みがくときは、生えたての歯はもっとも酸に弱いので、時間がないときはいちばん新しい歯を優先してみがきましょう。また奥歯は虫歯になりやすい場所なので、なるべく意識してみがきましょう。とくに奥歯の歯と歯の間は、歯ブラシでは汚れがとれにくいため、子ども用のフロスを使うとより効果的です。
歯みがきを嫌がる原因のひとつに、気づかないうちにブラシで痛みを与えてしまっている場合があります。歯ブラシは力が入りすぎないよう、鉛筆と同じように持ちましょう。
みがく体勢は、子どもの頭をおとなの足の間に挟むようにするとうまくいきますよ。この時期のポイント
甘いものがずっと口の中にあると虫歯リスクが上がります。間食を減らして食べ物が入っていない時間を増やして、ふだんの生活から虫歯予防を始めましょう。
イヤイヤ対策に試してみよう
- おとなが楽しくみがくところを見せたり、ぬいぐるみの歯をみがかせるなど、歯みがきはイヤなものというイメージを少しずつ払拭させましょう。
- じっとしていられない年齢ですから、「10秒だよ」と言って数えてあげたり、短い歌1曲分など、わかりやすく終わる時間を教えてあげて。
- イヤイヤがひどいときは、今日は上の奥歯、明日は下の奥歯…と、日ごとにみがき始めの歯を変えてみましょう。毎日同じ歯から始めるといつもみがけない歯がでてしまいます。毎日全部みがけなくても、はじめの歯だけはしっかりみがくようにすると、みがけない歯が偏ることは少なくなります。
※記事の情報は2023年3月現在のものです。