離乳食が終わったら“幼児食”がいい? 1歳過ぎ~5歳頃の「幼児」食事作りポイント
管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
離乳食を卒業したら、どんな食事を用意すればいいの? おとなといっしょの食事でOK? 食べられる食材が増え、食欲がアップしても、まだまだからだが未熟なのが幼児期。発達の段階として、離乳食の卒業が見え始める1歳~1歳半頃、1歳半~2歳頃、3~5歳頃の3つの時期があります。親子でいっしょに、おいしく食べるための考え方を紹介します。
目次
「食べる機能」が発達していく幼児期
「離乳食ではパクパク食べていたのに、幼児になって急に食べなくなった」という声を聞くことがあります。ただそれは、好き嫌いというよりも、「食べにくさ」が原因かもしれません。
苦手なかたさ、食感に気を付けて
幼児はおとなと比べて、咀嚼や消化の機能が未熟です。とくに「歯」に関しては、上下それぞれの乳歯(上10本、下10本)が生えそろうのは3歳頃。乳歯が生えそろわない1~2歳頃までは、
- 弾力性の強いもの
- 口の中でまとまりにくいもの
- 皮が口に残るもの
- ペラペラしているもの
- 唾液を吸って飲み込みにくいもの
といったものは食べにくいものです。
かたいものは様子をみながら
乳歯がそろっても噛む力は弱いので、まだまだつぶすのは苦手です。
塩分や脂質が多いものには注意を
どちらもうまく消化できず、からだの負担になります。消化の面から考えると、刺身などの生ものにも注意を。
塩分は控えめにして、調味料の味はゆっくり覚えていくのがおすすめです。脂質の多いものはやわらかめなので、よく噛まずに食べてしまうデメリットも。
小さく切ったり、よく加熱してやわらかくしたり、水分でしっとりさせたりすると、あっさり食べたりするので、子どもの成長に合わせて食べやすくする工夫が大切です。
「親子いっしょに食べられるメニュー」だと、もっとおいしい!
子どもに合った調理の工夫は必要ですが、そのために「特別に作り分けなくちゃ」と構える必要はありません。
おとなのごはんをベースに、
- 食材の大きさやかたさを変える
- 薄めの味付けにする
といった工夫をして「取り分けられる」メニューにすれば、親子で同じごはんが食べられます。
「取り分ける」ことで、こんなメリットも
おとなの食事を取り分けて作れると、手間が減るだけではありません。おとなが「おいしい!」と食べているものに子どもは興味をひかれますし、なにより、同じものを食べていることが子どもにとってもうれしいものです。
噛むのが上手になると、食材の味もよくわかるようになる一方で、酸味や苦みなどは「からだに害がある味」として本能的に好みにくくなることもありますが、慣れない味でも少しずつ食卓に出して、味覚を育む機会を増やしてあげてください。
親子で楽しく食卓を囲んで、食の世界を広げていきましょう。
「塩分ひかえめ」のレシピなら、親子で安心して食べられます
からだの負担になることはもちろん、味覚をはぐくむうえでも、幼児期は「おとな向けの濃い味付け」「塩分の摂りすぎ」に気を付けたいところ。
パパママが安心して食べさせられる食材やレシピを選びやすいように、生協パルシステムでは、幼児向けの食材や加工品、レシピについて
- 子どもに合った味の濃さや脂質量か
- 年齢に即した塩分量になっているか
を管理栄養士がチェック。どれくらいの年齢から食べられるかも、いっしょにお知らせしています。
便利な食材で「親子いっしょ」メニュー
「yumyum産直うらごしにんじん」を、子どもが食べやすい甘みのソースに。味付けを濃くし過ぎない工夫をしたレシピです。
ヨーグルトを使って、青魚をさっぱりと食べやすい作り置きおかずに。子どもに安心して食べさせられる塩分量になるよう監修しています。
おとなと1歳半以降の子どもがいっしょに食べられるレシピを、こちらで紹介しています。
パルシステムでは乳幼児向けの食品・雑貨カタログ『yumyum』(ヤムヤム)を用意しています。