0〜4カ月頃

離乳食を始める前に、果汁を与えてもよい?

4カ月の男の子です。母が「離乳食を始める前に、果汁を与えてみたら」と言います。今は与えなくてもよくなったと聞きますが、なぜなのでしょうか?

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

少量なら与えても構いませんが、離乳に効果はありません。

以前は離乳の準備として、生後2カ月頃からは薄めた果汁を、3カ月頃からは野菜スープを与えることが推奨されていました。 その目的は「離乳開始前に母乳やミルク以外の味を体験させること」「スプーンに慣れさせること」などでした。

しかし研究が進み、離乳開始前の赤ちゃんにとって最適な栄養源は母乳や育児用のミルクであり、離乳開始前に果汁やイオン飲料を与えることの栄養学的な意義は認められなくなりました。
味の体験についても、離乳食は「はじめての食材を少量(ひとさじ)ずつ進めていく」ものなので、ミルクや母乳以外の味は離乳食開始後にならしていって問題ありません。
また、ほ乳反射(口に入ってきたものを強く吸う、生まれながらに備わっている反射)が消失していく5~7カ月頃にかけて、スプーンが口に入ることも受け入れられていくため、スプーンなどの使用は離乳の開始以降で構いません。

果汁は母乳やミルクの量に影響するほどたくさんあげるのでなければ、害になるわけではないので与えて構いません。しかし、とくに必要なものではありません。

与える場合は量に注意。薄めることも忘れずに。

果汁はあえて与える必要はありませんが、赤ちゃんが母乳やミルク以外のものを飲む姿が、成長を感じる喜びとなるのならば、その喜びは残しておいてかまいません。その場合は飲ませすぎないように必ずスプーンで与えること、果汁は薄めてあげることを忘れないようにしましょう。

なお、イオン飲料(スポーツドリンク)は授乳だけの時期も離乳の時期も基本的には必要ありません。下痢・嘔吐・発熱などの場合に、乳幼児用のイオン飲料などを医師の指導で一時的に使う場合がありますが、体調が回復したら与えるのをやめ、習慣化しないようにしましょう。

※記事の情報は2021年2月現在のものです。