7、8カ月頃

いまだに母乳しか飲みません。

8カ月の女の子です。娘はいまだに母乳しか飲みません。おっぱいを飲んでいる姿はかわいいし、体重が減っているということもないのでついつい離乳食をさぼってしまっているのですが、大丈夫でしょうか?

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

離乳食は口や舌を使う練習でもあります。

離乳食は栄養だけでなく、口や舌の使い方を学習する場でもあります。赤ちゃんは生まれつきミルクや母乳を飲むことはできますが(ほ乳反射と言います)、食べ物をモグモグして飲み込むのは学習する必要があります。赤ちゃんの機嫌がいいときに離乳食を食べさせてみましょう。なるべく毎日決まった時間に離乳食を食べさせていると、しだいに赤ちゃんもそういうものだと理解します。離乳食のあとの母乳はほしがるだけ飲ませてあげてください。飲み終わったら、次までの授乳の間隔はきちんと空けて、満腹と空腹のリズムを大切にしましょう。

母乳だけでは栄養が足りなくなってきます。

赤ちゃんが成長してくると、母乳だけでは栄養が足りなくなってきます。5カ月頃までは、母乳は最良の栄養源ですが、6カ月頃からはとくに鉄、たんぱく質などの栄養素が不足してきます。鉄とたんぱく質が不足すると、鉄欠乏性貧血になってしまいます。たんぱく質が不足すると、体重増加不良や発達の遅れ、病気にかかりやすいなどと言われています。足りなくなる栄養素やエネルギーは食べ物から補う必要があります。
体重増加が順調なので、過度にご心配になることはありませんが、不足の影響が出てきやすいのは9カ月頃からです。鉄は赤身の魚や肉、卵黄や豆腐などにも多く含まれます。少しずつ離乳食を試して、食材の種類を広げておくのがおすすめです。

初めは嫌がっても続けましょう。

もし離乳食を始めてみても、食べないからといって、すぐに諦めないでくださいね。赤ちゃんは意外と賢くて、イヤイヤすればママが母乳をくれると学習してしまいます。米がゆが嫌なら、かぼちゃや果物でも構いません。トロトロが嫌ならスティック状の煮野菜や果物などを触らせることから始めるのでもよいので進めていきましょう。小さなお口でモグモグゴックンする姿も、とても愛くるしいものですよ。

※記事の情報は2020年7月現在のものです。