脱水症は、ふつうの生活のなかでも起こります。
子どもは体の水分量が多く、さらに汗っかきなため、おとなに比べてたくさんの水分を必要としています。しかも真夏などの温度が高いときは、汗などで多くの水分を体外に排出しているので、あそんでいるだけ、室内で寝ているだけでも脱水症になることがあります。高度の脱水症になると命の危険もあるので注意が必要です。
3歳~5歳
3歳の男の子です。夏でも外あそびをしますが、公園であそんでいるだけでも脱水症になるのでしょうか?
お話: 小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)
子どもは体の水分量が多く、さらに汗っかきなため、おとなに比べてたくさんの水分を必要としています。しかも真夏などの温度が高いときは、汗などで多くの水分を体外に排出しているので、あそんでいるだけ、室内で寝ているだけでも脱水症になることがあります。高度の脱水症になると命の危険もあるので注意が必要です。
子どもはあそびに夢中でのどの渇きに気づかないことがありますので、おとなが水分補給を促してあげましょう。食欲が低下しないように、甘みの少ないものがおすすめです。一気に冷たい飲み物をとると胃腸に負担になるので、こまめに少量ずつ補給するのがポイント。頻度は、外あそびなら30分に1回程度がめやすです。
ただし、35度を超えるような「猛暑」の際は外あそびを控えたり、水分補給のペースを短めにすることも大切です。
その日の気温や湿度、運動の激しさや体調によっても汗のかき具合が変わるので、イオン飲料も用意しておきたいですが、飲み過ぎには注意が必要です。最近、イオン飲料の飲み過ぎでペットボトル症候群(糖分を含む飲料を長期間飲みすぎて高血糖状態になること。からだのだるさや、重症化すると意識がもうろうとすることもある)になったり、電解質のバランスが崩れる症例も報告されています。ふだんの生活ではお水やノンカフェインのお茶で充分です。
もし次のような症状がみられたら、すぐに涼しいところに移動し、水分だけでなく塩分を含んだイオン飲料などを与えましょう。水分を充分に飲めていないとき、目がくぼんだ感じになるといったときなどはすぐに受診が必要です。体調の変化に早く気付けるように、あそんでいるときもよく見てあげてくださいね。
・おしっこの量や回数が減る
・唇、口の中が乾いている
・よだれがいつもより少ない
・おしっこが濃い
※記事の情報は2020年3月現在のものです。