母乳の免疫物質は、産後すぐの「初乳」に多く含まれています。
母乳育児は、経済的、ほ乳びんなどの消毒の手間や持ち歩くグッズが少なくて楽、などのメリットがありますが、母乳の分泌量には個人差があります。まずは3カ月まですこやかに赤ちゃんを育ててきた、ということが一番大事なことです。
よくいわれる免疫についてですが、お母さんから赤ちゃんへ送られる免疫には2種類あります。ひとつは、妊娠中に胎盤を通して赤ちゃんに届く「IgG」という免疫物質。これは出生後から減り続け、半年でなくなります。
もうひとつは、母乳に含まれる「IgA」という免疫物質。これは、初乳(産後5日目くらいの間に分泌する、とろっとして黄色味を帯びた乳汁)にたくさん含まれています。白血球などといっしょに、生まれたてのまっさらな赤ちゃんの腸管に届いて外敵からからだを守ります。この初乳がとても大事なので、産院では何度も吸わせていたのではないでしょうか。大切な免疫は、ちゃんと届いていると思いますよ。