3歳~5歳

歯みがきは毎食後におこなったほうがいい?

3歳の女の子です。歯みがきは朝昼晩、毎食後にやるべきでしょうか? なかなか歯みがきを好きになってくれず、毎回時間がかかって疲れてしまいます。

お話: 歯科医師 丹野 可奈子(たんの かなこ)

1日1回でもしっかりみがく時間があればOK。

理想的には毎食後おこなったほうがよいのですが、忙しい毎日のなかでは難しいことも確かです。毎食後おざなりにみがくより、少なくとも1日1回、とくに夜、時間をとってしっかりみがいたほうが汚れを落とす効果は高くなります。お休みの日など時間に余裕があるときは、歯ブラシに加えて補助的清掃用具(デンタルフロスや、狭いところをみがけるタフトブラシ)を使っても。歯ブラシでは届かない、いつもみがくところと違う部位の汚れが落とせます。
大切なのは、「量(回数)」ではなく、いかにプラーク(歯垢)を上手に落とせるか、という「質」です。充分な時間がとれない日があれば、次の日もしくは週末に少し時間を増やすなど、毎日にこだわらず、1週間単位で見てフレキシブルに対応しましょう。

まずは歯ブラシに慣れることから。

ただ、嫌がられるからと言って「ぶくぶくうがい」だけで済ませるなど、歯ブラシを使わない日があると、子どもは「使わなくもいいのだ」と思い、習慣づけが難しくなることが多いです。プラーク(歯垢)はうがいでは落とせないので、たとえ少しの時間、歯の一部だけでも毎日「ブラシでみがく」という行為自体を大切にしてください。
優先的にみがいてほしいのは、虫歯になりやすい「上下の奥歯」と「上前歯の裏側」です。どうしても歯ブラシを嫌がるようなら、右下奥歯、右上奥歯、左下奥歯、左上奥歯、上前歯裏…とローテーションで毎日1カ所ずつみがいていき、ほかは余裕があれば、というようにすると、みがき残しがなくなってよいと思います。

歯みがきが楽しみになるしかけづくりを。

小さな子どもはずっと口を開けているのが苦手。嫌がるときは、3秒だけと約束してみましょう(いーち、にーい、さーん、とゆっくり数えるのがポイント)。
その日は欲張らず、それでおしまいでもよいです。3秒から始めて5秒、10秒と増やして、達成感を積み重ねていくこともできます。
「子どもが歯みがきを嫌がって困る」という保護者の方には、次のような方法もおすすめしています。お子さんに合った方法を、いろいろ試してみてください。

(1)ごほうび作戦。歯みがきが終わったらシールを貼るなど、楽しみを作る。
(2)キャラクターの違う歯ブラシを数本用意したり、歯みがき粉を数種類用意して、自分で好きなものを選ばせる。
(3)親の歯みがきや、好きなぬいぐるみの歯みがきをたまにやってもらう。

※記事の情報は2020年12月現在のものです。