夏の感染症の多くは「飛沫感染」が原因。手洗いも有効です。
ご心配されているように、夏でも、感染症の原因となるウイルスや細菌は多く存在します。
ただし、マスクは咳で自分の唾液を飛ばすのを防ぐには有効ですが、ウイルスや細菌はとても小さいので、外からの感染を防ぐことは完全にはむずかしいのです。飛沫感染を完ぺきに予防することはむずかしいですが、しっかりと手洗いをすることや、飲み物を回し飲みしないこと、タオルを人と共有しないこと、などの対策である程度予防ができます。感染リスクを下げるため、保護者は感染したお子さんの残り物を食べないようにしましょう。
【夏に流行しやすい感染症(一例)】
・手足口病:手足に発疹ができ、発熱する場合がある。口の中に口内炎ができる。
・咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症):高熱が続き、目やにが出たり、のどの痛みが出る。
・ヘルパンギーナ:高熱が出て、のどの痛みが強く出る。のどの奥に口内炎のようなものができる。
ヘルパンギーナをはじめ、熱が下がってから典型的な所見が出てくる感染症もあるため、熱が上がってすぐに受診しても診断がつきにくいことがあります。症状の変化をよく見守るようにしましょう。
また、プールの季節によく話題になる「水いぼ(伝染性軟属腫)」があります。夏にはやると思われがちですが、この時季にかぎった病気ではありません。これはウイルス感染によって小さないぼができるもので、一度できると広がりやすくかき壊してしまうこともあります。水いぼ用のピンセットでつまんでとる治療法や、漢方治療、1~2年かかりますが自然に治るのを待つ方法などがありますので、かかりつけの医師と相談してください。プールの水を介してうつることはありませんが、タオルや浮き輪の共有は避けましょう。