幼児の「おやつ」は大切な栄養源。何をどれくらいあげればいい?
管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
1歳半以降の子どもにとって、おやつは必要なエネルギーを補う「第4の食事」です。子どもがおいしく楽しく食べられる、おやつの選び方やめやすの量、手作りレシピを紹介します。
目次
組み合わせ方は「炭水化物が中心」
おにぎりやいもなど、体を動かすための炭水化物を中心に。食事で不足しがちな栄養素を補うため、野菜類・果物・乳製品などと組み合わせるのがおすすめです。
【おやつ例(1歳半~2歳頃)】
1日1~2回(15時頃、または午前と午後に分けてもOK)、併せて100~150kcalをおやつから摂るのがめやすです。
・バナナ1本(90g)、キャンディチーズ3個、麦茶……計約130kcal
・ゆでさつまいも50g、牛乳100ml……計約120kcal
・ロールパン1個(30g)、りんご1/4個(50g)、麦茶……計約120kcal
※幼児は噛んだり飲み込んだりする機能が発達している途中です。発達に応じた食品の種類や量、大きさ、かたさにして食べさせることが大切です。 乳歯が生えそろう3歳頃までは、ミニトマトやブドウなどの丸いものや、キャンディーチーズは必ず4等分に切ってあげましょう。 りんごは皮をむき、厚さ3~5mmほどのいちょう切りやくし形切りにして。噛みにくいようなら電子レンジなどで加熱してやわらかくして。 バナナ、ゆでさつまいも、ロールパンは、自分のひと口量が分からず、たくさん口に押し込むようなら、かじりとって食べるように教えましょう。 さつまいもやパンなど、食べるのに唾液がたくさん必要な食材の場合は、食べる前にひと口麦茶を飲んで、口をうるおしてから食べさせるのもよいでしょう。
【おやつ例(3~5歳頃)】
1日1回(15時頃)、150~250kcalをおやつから摂るのがめやすです。
・おにぎり小2個(100g)、みかん1個(80g)、麦茶……計約200kcal
・チーズサンド(食パン8枚切り1枚+スライスチーズ1枚)、麦茶……計約170kcal
・自家製ホットケーキ1枚(80g)、果物ジュース100ml……計約220kcal
ポイントは「食事に響かない量」
食事との間隔が2~3時間あくようにしましょう。「今日の分」など、食べる量だけお皿に出すのがおすすめ。おやつを食べすぎて食事量が減ってしまわないように、おかわりはさせないようにしましょう。
幼児の手作りおやつレシピ6選
味覚が育つ時期なので、素材の味を生かしたおやつがおすすめ。手軽に作れて、栄養バランスもいいおやつのレシピを紹介します。
キャベツマフィン(1/2個で約120kcal)
※パルシステムのレシピサイト「だいどこログ」にリンクします。
お楽しみアメリカンドッグ(1本約100~150kcal)
※パルシステムのレシピサイト「だいどこログ」にリンクします。
※エネルギー(kcal)は文部科学省「日本食品成分表2020年版(八訂)」及び食品表示より算出
市販のおやつとの付き合い方
1おやつ選びのポイントは?
甘くないビスケットやせんべいなどがおすすめ。油脂の多い洋菓子やチョコレート類、砂糖の多い和菓子は血糖値が下がりにくく、食事に響く可能性があるので、できるだけ避けて。また、喉に詰まらせる恐れがあるもの(こんにゃくゼリー、ガム、飴、おもちなど)は噛む力が十分についてから与えるようにし、かたい豆やナッツは5歳までは避けましょう。
2ケーキやチョコレートはダメ?
あげても大丈夫ですが、砂糖の甘さは子どもが大好きな味でクセになりやすく、たくさん欲しがります。強い甘さに慣れると、食材のもつ繊細な甘みを感じにくくなるので、味覚の発達のためにもあげる時期はなるべく遅らせる方がおすすめです。 あげる場合は、「チョコは1日1粒まで」「お友だちと食べるときだけ」「ケーキはお誕生日の日だけ」など、量や約束事を決めるのもよいと思います。