「かたいおやつ」の前に、歯の本数や噛むようすをみて。
3歳だと、そろそろ上下の乳歯が20本生えそろい、奥歯が2本とも噛みあうようになった頃ですね。いろいろなかたさや大きさのものが上手に食べられるようになっていることと思います。ただ、歯の生え方は個人差が大きいので、歯の本数や噛む様子をみながら、おやつのかたさを考えましょう。
3歳~5歳
3歳の女の子です。最近「かたいおやつで噛む力をつけるとよい」と聞きました。かたいものは嫌いではないのですが、どんなものがよいでしょうか?
お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
3歳だと、そろそろ上下の乳歯が20本生えそろい、奥歯が2本とも噛みあうようになった頃ですね。いろいろなかたさや大きさのものが上手に食べられるようになっていることと思います。ただ、歯の生え方は個人差が大きいので、歯の本数や噛む様子をみながら、おやつのかたさを考えましょう。
「噛む力」とは、単にかたいものを食べる能力、ということだけではありません。食べ物の大きさやかたさ・食感に合わせてひと口の大きさを調整したり、噛む力や噛む回数を変えたり、やわらかいものとかたいものをいっしょに食べたときに口の中で分けて処理をしたり……といった「食べ方を調整する力」です。 かたいものばかりを食べさせるのではなく、弾力があるもの、水分が少ないもの、かたさの違うものを組み合わせることなどで、噛む回数を増やすようにしていくとよいと思いますよ。
いろいろな食感が体感できるように、これらの食材をおやつに取り入れてみましょう。
・くし形に切ったりんごや梨
・パリパリした食感の野菜チップスやせんべい
・ちりめんじゃこや桜エビなど、少しかたい食材を混ぜたおにぎり
・噛みごたえのあるレーズンなどのドライフルーツ
・煮た豆類
・ナッツ類(6歳頃から)
・もちもちしたじゃがいももちや白玉団子(誤嚥防止のため小さくちぎったり、真ん中をへこませた円盤状にしたりして)
かたいものにかぎらず、食べ物をよく噛むことにはたくさんのメリットがあります。 消化や脳への影響からみると、唾液と食べ物をよく混ぜ合わせることができるので、まず消化吸収がよくなります。また、噛むことの刺激によって脳が活性化しますし、あごの骨が発達して口の中が広くなり、歯並びもよくなります。
加えて、ゆっくり食べることにつながるので食べすぎの防止にもなります。噛むのが上手になると、食べにくいから食べないということが減り、食べられる食材の種類が増えていって、好き嫌いを減らすことにもつながっていきます。
※記事の情報は2021年3月現在のものです。