まわりと比べる前に、成長曲線を見てみましょう。
生まれてから今までの身長・体重の成長を、母子手帳にある身体発育曲線のグラフに書き込んでみましょう。曲線のカーブに沿って伸びていれば、少食で小さいと感じていても心配せず、このまま成長を見守ってあげて。一人ひとり、体格も成長のペースも違って当然です。成長曲線に心配がある場合は、小児科医師などに相談しましょう。
12~18カ月頃
1歳5カ月の男の子です。ほかの子より小さくて少食なのが気がかりです。たんぱく質は筋肉や骨を作る、と聞いたことがありますが、意識して増やしたほうがよいでしょうか?
お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
生まれてから今までの身長・体重の成長を、母子手帳にある身体発育曲線のグラフに書き込んでみましょう。曲線のカーブに沿って伸びていれば、少食で小さいと感じていても心配せず、このまま成長を見守ってあげて。一人ひとり、体格も成長のペースも違って当然です。成長曲線に心配がある場合は、小児科医師などに相談しましょう。
たしかに、たんぱく質は筋肉・骨・皮膚・髪の毛などをはじめ、酵素やホルモン、免疫などの材料になる大切な栄養素です。しかし人間が健康に生活し、子どもが成長・発達するにはほかの栄養素もバランスよくとることが必要です。すべての栄養素をちょうどよく含んでいる食品はないので、いろいろな食品を食べなければいけません。
ですから、少食でからだが小さいからといって、たんぱく質源だけを多くする必要はありませんよ。食事は主食(ごはん、パン 麺)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜類)をそろえ、乳製品や果物も間食や食事で食べさせましょう。
少食で心配ということですが、1歳5カ月頃だとまだ奥歯がそろっていないことが多く、食べ物が噛みにくいことも。少しやわらかめにしたり、小さくほぐしたりしたり、あんかけなどにしてみましょう。
無理なく食べられる味付けや、やわらかさにして、栄養のバランスを考えたメニューにしたら、あとは食べたい量だけ食べさせてあげてください。食事に集中できるのは10~15分くらい。様子を見て食べさせてあげたり、スプーンにのせるなどの手伝いをしても大丈夫です。つい「あとひと口」と言いたくなりますが、無理強いせず、食べたらほめてあげましょう。
パンやごはんなどは咀嚼しやすいので、炭水化物を多く含む食品だけたくさん食べがちかもしれません。そんなときは具だくさんのチャーハンやうどんなど、ひと口でいろいろな食材が口に入るようなメニューにしてもいいですね。
それから、規則正しい生活リズムにして、食事のときにおなかがちょうどよく空いている状態にしてあげることも大事です。外あそびなどの運動が少なかったり、食事の前におやつや甘い飲み物を飲んでいたりすると食欲がなくなりますし、反対におなかが空きすぎていても、疲れて眠くなってしまいます。
食事の時間を決めたり、体を動かして遊ぶ時間をしっかりとったりすることで、食事がよりおいしく感じられます。ぜひ意識してみてください。
※記事の情報は2021年5月現在のものです。