12~18カ月頃

フォークなどを持ちますが、結局手づかみです。

1歳4カ月の男の子です。スプーンやフォークを持ちたがりますが、持つだけで食材をすくったりしようとせず、反対の手で手づかみしています。かといって持たせないとかんしゃくを起こすし、これからどうやって練習させていいのか悩みます。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

この時期はまだ、手づかみをたくさんさせてあげて。

片手でスプーンやフォークを持ち、もう片方の手で手づかみで食べているのですね。食欲があり、自分で食べる意欲があるのは、とてもよいことです。

1歳4カ月でしたら、まだ充分手づかみ食べをさせてあげていい時期です。手づかみ食べはスプーンや箸で上手に食べるベースとなる練習期間。まずは手指で食べものをつまんで、口まで運び、唇でとらえる練習だと思ってください。指を口に入れずに、手づかみ食べで食べられるようになってから、スプーンの練習を本格的に始めるとスムーズです。

スプーンやフォークの練習にこだわりすぎず、手づかみしやすいメニューを中心に食事を考えてあげるとよいでしょう。
おにぎりやおやき、ハンバーグ、スティック状にしたゆで野菜、トーストなどがおすすめです。

少しだけ手伝って、食べられたら大いにほめましょう。

スプーンも握りたがっているようなので、スプーンですくいやすいものもひとつ用意しましょう。はじめはヨーグルトなど、スプーンにくっついてくるものがおすすめです。

手づかみで食べたあと、「これはスプーンで食べるものだから、いっしょにスプーンで食べようね」と声をかけ、子どもがスプーンを握った手を持って、口に誘導してみましょう。
スプーンの持ち方は、使い始めた頃なら、手の甲が上にきて手のひらで持つ持ち方(手のひら握り)が無理のない握り方です。スプーンで口に運べたら、「スプーンじょうずね」「スプーンかっこいい」とたくさんほめてあげてください。

フォークを使いたがるようなら、子どもが好きなものをさしたり、麺をからめたりして渡し、自分で口に運べるように誘導してみましょう。口に入れられたらほめてあげるのは同じです。
「道具を使って食べると楽しい」という記憶が、だんだん「フォークやスプーンを使って食べたい」というやる気に結びついてくると思いますよ。

※記事の情報は2021年6月現在のものです。