3歳~5歳

スプーンがうまく使えず、食べるのが遅くて困っています。

3歳半の男の子です。スプーンで食べるのがあまり上手でなく、食べるのに時間がかかってしまいます。30分くらいで切り上げたいのですが、「スプーンで食べる!」とこだわります。 食欲もあり、やる気もあるのでたくさん挑戦させたいのですが、切り上げたほうがいいのでしょうか。そろそろ箸も練習させたいし、焦ってしまいます。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

「ここまでね」などと、時計を見ながらあらかじめ話してみても。

食欲があって、スプーンで食べることに意欲的なのは、とってもよいことです。もう少しトライさせたいと思うのなら、子どもの「やりたい」気持ちを大切にして、そろそろかなと感じるまで食事の時間をかけてかまいません。
親の方がイライラしてしまうようなら、時計の針などを見せながら「ここに来るまでは自分で食べて、それが過ぎたらいっしょに食べよう」などと最初から話してみるのもよいでしょう。

持ち方や使い方をあらためて観察してみて。

上手に食べられないということですが、あらためて動きを一つひとつ見直してみると、上達につながるかもしれません。

スプーンの持ち方

まずは、上握りでも下握りでも、好きなように握らせてみてください。

・手のひら全体で握る
 ↓
・親指、人差し指が伸びて指で握る
 ↓
・鉛筆を持つような握り方

と持ち方は徐々に成長していきます。また上手に食べるには、持ち方だけではなく肩やひじ、指の動き、腕や手首を返す動作などが発達する必要があります。からだの動きを見ながら、こぼす量が少なくなってきたら、次の段階の持ち方を試してみましょう。

器について

スプーンを持っていない方の手で茶碗や器をうまく支えたり、動かしたりすることも重要です。
支えることを教えるのも大切ですが、そちらに意識が向くとスプーンの動き自体がおろそかになることも。器をうまく支えられないようだったら、裏に滑り止めのついたものやマットを使うとよいと思います。

また、器はフチに立ち上がりがあり、すくうときにスプーンの先があたって、すくいやすいものがおすすめです。中の料理もスプーンにのるくらいの大きさにすると子どももすくいやすいでしょう。

箸を始めるなら、指の動きを見て「部分的」にとり入れても。

箸の練習は、何歳頃といった年齢を目安にするのではなく、以下のような指の動きができるかどうかで判断してあげましょう。


    スプーン、フォークを鉛筆をもつような握り方で持てる

    じゃんけんのチョキができる

    親指と人差し指で丸が作れる


早く始めればよい、ということではありません。スプーンや箸がうまく使えないうちは、おとながサポートしてあげてください。

3歳半なら、腕、手、指の動かし方を学んでいる最中で、長い時間箸を正しく持っていることはまだ難しい時期です。スプーンを併用しながら、箸は部分的に使うように誘導してみてください。うまく「できた!」と楽しく食べられるように、工夫できるとよいですね。

※記事の情報は2021年9月現在のものです。