3歳~5歳

小さな「嘘」をつくようになり困っています

3歳後半の女の子です。4月に幼稚園に入り、できることがずいぶん増えてきたのですが、最近小さな嘘をつくようになってしまいました。おねしょしたのに「してない!」と言い張ったり、内緒でお菓子を食べてしまっても「食べてない」と言ったり……。なんだか悲しくなってしまいます。どうしたらよいのでしょうか。

お話: 保育アドバイザー 深津 高子(ふかつ たかこ)

嘘で失敗を隠さなくていい、と伝えてあげて。

3、4歳はルールや約束は十分頭では分かっているけれど、まだ100%守れない時期。同時に大好きなお母さんやお父さんを怒らせたり、悲しませたくない。そこで期待される行動がとれなかったときに「ママやパパに嫌われたくない」という気持ちから、かわいい嘘をつきます。これは本当に誰かをだますためにつく嘘ではなく、子どもなりに自分の面子を保つためにやっているのです。ですからこんなとき、犯人探しをするよりも、大切なのは「失敗をしてもお母さんは変わらず私のことを好きなんだ」と感じさせること。ひと呼吸おいて「まあ、あなたがしたんじゃなければ、誰かなあ~」くらいとぼけて、さらっと流してみてください。

失敗は「お友だち」。「恐いもの」にしないで。

「嘘をつかない」ことを子どもに伝えるには、遠回りに思えるかもしれませんが、「人は誰でも失敗しながら成長すること」を毎日の生活にとり入れていくことが大事です。
たとえば、ミルクを注ぎたい子どもが、こぼしてしまった。もしその都度、おとなに怒鳴られたり、怒られた子どもは、失敗=恐い、失敗=怒られるという図式が心の中に形成されます。そうするとその子どもは、隠したり、嘘をついて、「いい子」を演じるようになり、徐々に何も新しいことにチャレンジしなくなります。それよりも「あ、こぼれたね」と事実を共有し、「じゃあ台拭き持ってきて」と子どもが届く高さにある台拭きで、拭き方を見せ、終わったら洗濯かごに入れるか、またはすすぎ方を見せるだけで十分なのです。失敗は恐くない、まるでお友だちのようなものです。

おとなだって失敗しながら上手になるから。

それからぜひ、おとなの失敗を何でも隠すような完璧なママやパパでいないでください。たとえばお茶碗を割ってしまったとき、すぐにサッと片付けて隠すのではなく、「あらら、ママやっちゃった。お茶碗さん長い間ありがとう。じゃあ新聞紙に包んで捨てようね。」と処理の仕方、物への感謝を見せてあげて。
誰でも間違える、間違えることは人間の通常の姿なのだということが子どもに伝わればいいですね。

※記事の情報は2018年2月現在のものです。