1歳半~2歳

買い物中に走り回るのをやめさせるいい方法はありますか?

2歳半の男の子です。買い物に行くと、最初は私のそばにいるのですが、そのうちに走り回ってあちこちに行ってしまい、手がつけられなくなります。走り回るのをやめさせる方法はありますか?

お話: 保育アドバイザー 深津 高子(ふかつ たかこ)

子どもに“ミッション”を与えましょう。

お店のなかで走り回るのはなぜでしょう。退屈したり、商品の多さに興奮して…という理由もあるかもしれません。そんな時、子どもに役割、つまり“ミッション”を与えてみてはいかがでしょう。
「晩ごはんはカレーにしようと思うの。これからスーパーに行くけれど、じゃがいもと人参を探すの手伝ってくれる?」とか「今日はかたいお豆腐がほしいんだけど、見つけてくれるかな?」というように、大量の商品の中で注意散漫になりがちなところにフォーカスする対象を与え、子どもがあっちこっちに行ってしまう前に、枠組みを決めてあげるのです。
この年齢は、「自分でやりたい」という気持ちもとても強いので、「晩ご飯の買い物、手伝ってほしいの」の言葉がとても響きます。
買い物の途中で、「おもちゃ」とか「お菓子」とか言い始めたら、「あれ?まだ人参見つかってないよね」とミッションを思い出させて、上手に軌道修正していきましょう。
そうやって家の仕事に関わらせることで、子どもの家族の一員としての自覚、そして何か自分も役に立てるという自信を少しずつ育んでいくこともできます。

「こわいから」はほんとうの解決にはなりません。

「走るのをやめたらお菓子を買ってあげる」とか「言うこと聞かないと鬼が来るよー」とこわがらせるようなやり方はおすすめしません。子どもに必要なのは、自分の気持ちや行動を自分でコントロールする力です。「こわいからやめる」とか「お菓子がほしいから言うことを聞く」と脅したり物でつったりしても、それは本当の自立とはかけはなれたものです。
「子どもに協力を求める」というと、「こんな小さな子にできるの?」と心配になるかもしれませんが、それは子どもへの過小評価です。
私が関わっている保育園では、生まれたときから、何かするときには必ず赤ちゃんに今からすることを伝えてから行います。たとえば「いまからおむつを替えますよ」とか「足をあげますよ」とか。そうすると赤ちゃんもだんだんわかってきて、「腕ちょうだい」と言うと、ちゃんと腕を出すようになる。「抱っこするよ」というと、手を伸ばして協力したりする。
どんなに幼くても、相手を尊重し、きちんと言葉で説明することが大事。大人の説明がシンプルでわかりやすければ、子どもはきちんと応えてくれるものです。

※記事の情報は2015年4月現在のものです。