知っておきたい食中毒の予防と対策
小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)
梅雨から秋にかけては、食中毒を起こしやすい季節。予防策とともに、対処の仕方も知っておきたいですね。
食中毒予防の3原則
1菌を付けない
2菌を増やさない
3菌をやっつける
教えて!Q&A
- 食中毒はどんな症状?
- 発熱、嘔吐、下痢、腹痛などがおもな症状で、うんちに血が混ざる血便が出ることもあります。下痢は水っぽい便が、1日に10回以上続くことも。嘔吐や下痢が続くと急速に水分が奪われ、脱水症を起こしやすくなります。脱水症になると、けいれんや意識障害などのショック症状を起こしたり、危険な状態になることもあります。
- 病院には、すぐに行くべき?
- 水様便が止まらず、機嫌が悪くぐずり続けるようなときは、早めに小児科を受診しましょう。受診するときは便のついたおむつをビニール袋などに密閉して持っていくか、スマホなどで写真に撮っていくと診断がしやすくなると思います。おうちに同じ症状の人がいるかなども伝えましょう。
- 看病で大切なことは?
- 食中毒の症状がみられたら、脱水症を避けるために、水分補給をすることがもっとも大切です。母乳を飲んでいる赤ちゃんは、1回の哺乳量を少なめにするために、1回の授乳時間を短めにし、いつもより飲ませる回数を増やしてください。ミルクの場合も、やはり少量ずつ回数を多く与えましょう。赤ちゃんの水分補給は、母乳やミルクのみでOKですが、離乳食後期以降の赤ちゃんは、薬局などで市販されている電解質をとれる子ども用イオン飲料や、みそ汁の上澄みを、少量ずつ頻繁に与えてみるのもよいでしょう。
- 離乳食はどうしたらいい?
- 吐いているときは固形物を避け、母乳やミルク、電解質飲料などの水分のみにして、おなかを休めましょう。栄養の補給はおなかの調子が戻ってからで大丈夫。嘔吐がなくなり、食欲が出てくれば、下痢が続いていても食事を再開してかまいません。これまで食べたことのあるものを原則として(調子の悪い時に初めてのものは与えない)、みそ汁や野菜スープなどから、徐々におかゆやうどん、煮物、りんごなどの消化のよい食事を与えましょう。
※記事の情報は2024年5月現在のものです。