子どもによって、進み方には差があります。
離乳食が思ったように進まないと、あせってしまいますね。でも、身長・体重が母子手帳の「成長曲線」に沿って伸びており、からだの発達(首座りやお座り、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き、腕をのばしてものをつかむなど)が極端に遅れていなければ、あまり考え過ぎなくても大丈夫。離乳食も発育・発達の一環なので、「その子に合った時期」が来ればあっという間に追いつきます。
9~11カ月頃
10カ月の男の子です。離乳食のレシピ本などを見ながら、月齢のかたさや大きさのめやす通りに作っていますが、あまり食べてくれません。いつも実際の月齢よりも低めの離乳食をあげています。このまま遅れた状態で進んでいくのでは、と思うと不安です。
お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
離乳食が思ったように進まないと、あせってしまいますね。でも、身長・体重が母子手帳の「成長曲線」に沿って伸びており、からだの発達(首座りやお座り、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き、腕をのばしてものをつかむなど)が極端に遅れていなければ、あまり考え過ぎなくても大丈夫。離乳食も発育・発達の一環なので、「その子に合った時期」が来ればあっという間に追いつきます。
基本は、赤ちゃんが一番食べやすいかたさや大きさでOK。満腹感がわからずに食べすぎる様子でなければ、食欲に合わせて欲しがるだけ食べさせてあげましょう。
ただ、やわらかめに離乳食を作ると、水分が多めでエネルギーは少ない食事になりがちです。すべて食べてもおなかが空いていそうなら、めやすより量を増やしたり、食後の母乳やミルクを増やしたりしてかまいません。
食事の回数は、少量でも3回食にすすめましょう。まずは、食べやすい形状の離乳食で食べることに慣れてもらい、食事はおいしくて楽しいと感じてもらうのが一番です。
離乳食の器に手を入れようとしたり、フィーディングスプーンに手を伸ばしたり、自分から食べたい様子が見られたら、取り皿に少しだけ食べ物を盛って触らせてあげたり、赤ちゃん用のスプーンを持たせてあげたりしましょう。
いろいろな赤ちゃんを見てきましたが、1歳半頃になって歯が生え、上下の奥歯が1本噛みあう頃には、どの赤ちゃんも上手に噛めるようになっていることが多いと感じます。
今の咀嚼力にあったものを食べる経験を積むことで、しだいに上手に口を動かして噛むことができるようになります。無理に月齢のめやす通りの固さ、大きさの食事を食べさせようとせず、ゆったりとかまえて、赤ちゃんが食べやすいように手助けしてあげてください。
※記事の情報は2021年9月現在のものです。