7、8カ月頃

油分は赤ちゃんに与えない方がいい?

8カ月の女の子です。2回食になったので、おとなの食事からのとりわけも始めたいのですが、油で炒めたものは与えない方がよいでしょうか。おとなの食事でも油やバターはひかえた方がよいイメージがあって心配です。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

油は7カ月頃から、少しずつ使えます。

赤ちゃんは母乳や粉ミルクに含まれる脂質を、消化酵素(リパーゼ ※母乳自体や赤ちゃんの唾液に含まれています)を使って少しずつからだにとり入れています。
これに加えて食事からとる脂質を消化吸収するには、胃腸の発達や、消化酵素が赤ちゃんの膵臓や肝臓から充分な分泌があることが必要です。
油を使うなら、月齢が進んでからだが成長し、離乳食に慣れてきた7カ月頃からがよいでしょう。下痢などが起こらないか確認しながら、植物油やバターを少量ずつ与えていってかまいません。

脂質を少しずつ取り入れることで、赤ちゃんの消化吸収能力も発達していくとされています。1歳頃から、脂質消化酵素(リパーゼ)の働きがおとなの働きに近くなり、脂質を乳化する消化液(胆汁酸)の腸内濃度も高くなってきます。

1食あたりの具体的なめやす量。

ただし、脂質は「肉・魚・卵・大豆製品・乳製品」などにも含まれていますので、「油」の形で毎食使わなくても大丈夫です。たとえば絹ごし豆腐やプレーンヨーグルトなら30g(大さじ2)に約0.9gの脂質が含まれています。

離乳が完了した1歳半~2歳頃は、調理に使う油として1日に小さじ2強(10g)、3~5歳は大さじ1強(15~20g)がめやす量です。子どもはからだの大きさの割にたくさんのエネルギーが必要なので、毎日「適量」をとり入れることが大切です。

【1食あたりの油のめやす量】
7、8カ月頃:小さじ1/4~1/2(1~2g)
9~11カ月頃:小さじ1/2(2g)
12~18カ月頃:小さじ3/4(3g)

脂質は必要な栄養素。「とらない方がよいもの」ではありません。

脂質は糖質やたんぱく質とくらべて1g当たりのエネルギー量が多いので、多くのエネルギーが必要な子どもにとっては、効率のよいエネルギー源です。
ほかにも、細胞膜の構成成分になり、体内で合成できない必須脂肪酸(リノール酸、α-リノレン酸。体内でDHAやEPAに変わる)の供給源にもなります。脂溶性ビタミン(A、D、E、K)やカロテンの吸収を助けるはたらきもあり、脂質は、からだに必要な栄養素です。
もちろん多すぎれば肥満の原因になりますが、不足すると血管や細胞膜を弱め、肌荒れや皮膚炎へとつながることもあります。

1歳を過ぎたら揚げ物もOK。ただし与える量には充分気を付けて。

1歳を過ぎたら、てんぷらやフライなど、油を多く使った料理も食べられるように。ただし揚げ物は衣が多くなるほど、油を吸う割合が増えるので注意が必要です。
たとえばフライドポテト50g(約4本)で約2g、かき揚げ1個だと約7gの油が吸収されている、というデータがあります(1歳半~2歳頃は、調理に使う油として1日に小さじ2強(10g)がめやす)。
揚げ物ばかり与えると脂質のとりすぎになるので、考えて食べさせましょう。

※記事の情報は2021年7月現在のものです。