鼻から息を出すのは、子どもにとって意外に難しいものです。
子どもにとって、「鼻から息を出すこと」を意識するのは意外に難しいです。ある程度意思疎通ができるようになってきたら、まずは口から息を吸い、口をしっかりと閉じさせてみましょう。そして片方の鼻の穴を指で押さえ、息をふんと出させてみます。
ポイントは口を閉じさせること。口を閉じないと、「ふん」と言ってしまって鼻から息を出せません。
3歳~5歳
3歳の男の子です。鼻水が出るとすぐにすすってしまい、なかなかかめません。上手に鼻のかみ方を教えるにはどうしたらよいでしょうか。
お話: 助産師・保健師 田中 淑恵(たなか としえ)
子どもにとって、「鼻から息を出すこと」を意識するのは意外に難しいです。ある程度意思疎通ができるようになってきたら、まずは口から息を吸い、口をしっかりと閉じさせてみましょう。そして片方の鼻の穴を指で押さえ、息をふんと出させてみます。
ポイントは口を閉じさせること。口を閉じないと、「ふん」と言ってしまって鼻から息を出せません。
ほかにも、子ども自身の目に見えるよう「あそび」の中に練習を取り入れるのもおすすめです。まず、鼻の穴に入る位に小さくちぎって丸めたティシュをテーブルに並べて、口をすぼめて、ふーっと吹き、「息」を見えるかたちにして実感してもらいます。次に、そのティシュを片方の鼻の中に浅く入れて、反対の鼻の穴を指でふさぎます。鼻息だけでティシュを飛ばしてみせます。新聞紙などを敷けば、テーブルも汚れません。まずは親がトライして、子どもに真似させてみるとよいでしょう。親子で「遠くに飛ばしっこしよう!」 と競争すると楽しく身に付きますよ。
「鼻から息が出た」という感覚を覚えることが、鼻をかむことが上手になる第一歩です。個人差もありますが、練習は早ければ2歳くらいから真似ができ、3歳くらいから、言っていることが理解できて鼻がかめるようになっていくと思います。
注意したいのは、両方の鼻を一気にかむと耳を傷める原因になることです。鼻をかむ時は片方の鼻の穴を指で押さえて、口から息を吸って、もう片方の鼻の穴から少しずつ出すようにします。「片方ずつ」「少しずつ」息を出すことができているか、チェックしてあげてください。
こうした練習は鼻に何の症状もないときに行いましょう。
うまく鼻をかめないうちに鼻水が出てくるときは、親が片方の鼻を押さえてあげるなど補助をして、まめに鼻をかみましょう。ホームケアとして鼻吸い器を利用することもよいと思います。
また、花粉症のように鼻の粘膜が腫れていたら、上手に鼻をかんでもすっきりしませんし、鼻が通った感覚を得られません。そうした場合は治療が必要です。鼻水がたまったままの状態を長引かせないように、症状が続くようなら、ためらわずに小児科を受診するようにしてください。
※記事の情報は2022年12月現在のものです。