12~18カ月頃

食事中、あそびはじめてしまいます。

1歳半の男の子です。食事に集中できず、いつも少し食べただけで席から立ち上がり、あそびはじめてしまいます。なだめたり、怒ったり、いろいろやってみるのですがなかなか改善しません。

お話: 保育アドバイザー 深津 高子(ふかつ たかこ)

できれば、おとなもいっしょに食卓に。

子どもには、小さいうちから、「食べるときは座るんだ」という食事のマナーを伝えたいですね。「あそんじゃだめ」とか「歩き回らないの!」とかマイナスの言い方ではなく、「ごはんを食べるときは座って食べようね」とストレートな表現で伝えましょう。
ただその前に、いつもの食事風景をちょっと思い出してください。子どもが食事しているとき、親も落ち着いて食卓についていますか。この時期の子どもは見たものを何でも吸収するもの。食卓の周りでおとなが立ったりすわったりしていると、それでいいのだとインプットされてしまいます。なるべく必要なものはテーブルにそろえておき、できる限り子どもといっしょに座って食事を楽しめる環境を作りたいものですね。

「食べる」ことの喜びを伝えたい。

もうひとつ、食事中に歩き回ったりするのは、まだ食に関心がないということも考えられますし、テレビなど他の刺激が強すぎて、食べることに興味がいかない場合もあります。「食」に興味をもつきっかけの一つに、「収穫」があります。プランターでもいいのです。幼い子どもにとってミニトマトやきゅうり、いちごなどを小さな手で摘んで家族と共に食べることは、うれしく誇らしい体験となるでしょう。野菜の名前を知ったり、家族そろって「いただきます」や「おいしいね」を伝え合うことで、食べものに感謝する心も生まれてくるでしょう。

「お手伝い」でも、食への関心は高まります。

歩けるようになったら、配膳のお手伝いをさせることもできますよ。まずは、こぼしにくいようなものから始めましょう。お皿やおはしを並べてもらってもいい。この時期に、子どもの手が届くような低い食器棚にお皿などを置いてあげれば、そこから自分で持ってきて並べてくれます。
レタスをちぎったり、じゃがいもをつぶしたりもいいですね。玉ねぎの皮むきなら、1歳半くらいでもできると思います。2歳くらいから食器洗いや食器ふきもできますが、まず、しっかりとした踏み台を用意し、小さめのお皿や小鉢などを手渡してみてください。意外と慎重に“自分の仕事”としてやりとげてくれますよ。

食事中、いつまでもあそんでいたら、一度かたづけてみましょう。

何度注意しても、いつまでもあそんでいるようなら、一度かたづけてしまいましょう。多くの場合、子どもは「まだ食べたかったのに!」と泣くかもしれませんが、そんなときに感情的になって怒るのではなく、「あ、あそんでいたから昼ごはんもう終わったと思った。」とさらっと言いましょう。そこで長い間お説教したりは、2歳前には効果がありません。「じゃ、晩ごはんは座っていっぱい食べようね」と言って気分転換をし、食事は座って食べるという習慣が自然に身についていくといいですね。

※記事の情報は2015年3月現在のものです。