果物だけでは野菜の代わりにはなりません。
果物は、野菜ほどにいろいろな種類のビタミン・ミネラル、食物繊維を含んでいるわけではありません。以下のように果物と野菜では含まれる種類が違います。
果物からとりやすい栄養……ビタミンC、カリウム、ペクチンなど
野菜からとりやすい栄養……ビタミンC・A・B・E、カリウム、カルシウム、鉄、ペクチン、セルロースなど
ですので、野菜を食べなかったからといって、果物を増やすのはおすすめではありません。
1歳半~2歳
1歳4カ月の女の子です。毎食後、デザートに出す季節の果物やバナナなどが大好き。反対に、おかずの青菜など野菜はほとんど食べなくて困っています。果物はビタミンなどがとれそうだし、問題ないでしょうか。
お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
果物は、野菜ほどにいろいろな種類のビタミン・ミネラル、食物繊維を含んでいるわけではありません。以下のように果物と野菜では含まれる種類が違います。
果物からとりやすい栄養……ビタミンC、カリウム、ペクチンなど
野菜からとりやすい栄養……ビタミンC・A・B・E、カリウム、カルシウム、鉄、ペクチン、セルロースなど
ですので、野菜を食べなかったからといって、果物を増やすのはおすすめではありません。
大好きな果物を食後のデザートに出すようにしているのは、よい習慣ですね。果物も野菜もビタミン・ミネラルや食物繊維を多く含んでいますが、果物は野菜よりも糖質が多めです。食べるとすぐにおなかがいっぱいになったと感じやすいので、本来必要なごはんやパン、麺などの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの良質たんぱく質源が食べられなくなることも。
また、果物もたくさん食べ、他の食材もしっかり食べると、エネルギーのとりすぎから、肥満につながる心配もあります。
1歳4カ月頃だと、1日の果物の量のめやすは50~100g。デザートで日に3回食べるのなら、1食で20~40g程度となります。とくにバナナは、果物の中では水分が少なくエネルギーが多いので、1日1本までと決めておくとよいでしょう。
ただ、しっかり食事を食べていて、成長曲線を見て体重増加が多すぎず、下痢や嘔吐がなければ、あまり厳密にしなくて大丈夫。食欲に合わせてあげてください。おとなの1日の果物の量が200gなので、多くても1日に200gは超えないようにするのがおすすめです。
味覚もからだや心の発達に伴って成長していき、今は食べない野菜もだんだん食べられるようになるものです。野菜も少しずつ好きになってもらえるように、あきらめずに気長に出し続けてみて。慣れておいしいと感じられるようになるのを待ちましょう。
食事のときは、穀類と良質たんぱく質源、野菜のそろった献立にして、子どもが食べられる分量を食べさせましょう。野菜は、チャーハンや炊き込みごはん、ハンバーグ、カレーやシチュー、豚汁など、食べやすい料理でかまいません。少しでも食べられたら、たくさんほめてあげてくださいね。
※記事の情報は2021年9月現在のものです。