7、8カ月頃

ベビーフードを使っていいのか悩んでいます。

7カ月の男の子です。慣れない離乳食作りに苦労しているのですが、ベビーフードを使ってもよいでしょうか? 使うとしたら、どのようなものを選ぶとよいか知りたいです。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

ベビーフードは使ってOK。手作り離乳食の参考にもなります。

日本のベビーフードは、「日本ベビーフード協議会」の自主規格により、基準を設けて製造されています。塩分量は12カ月までの商品は約0.5%以下、12~18カ月頃までの商品は約0.7%以下になるように作られています。食品添加物の使用も、豆腐のにがり、酸化防止のビタミンCなど、最小限にとどめ、使用できる添加物を限定しています。衛生管理、残留農薬、遺伝子組み換え食品、商品表示などについても管理されており、赤ちゃん用に製造された食品です。ベビーフードを使って問題ありません。
また、離乳の進行に応じて、なめらかにすりつぶした状態、舌でつぶせるかたさ、歯ぐきでつぶせるかたさ、歯ぐきで噛めるかたさに調整されています。ベビーフードの大きさ、固さ、とろみ、味付けは離乳食を手作りする場合の参考になります。
パッケージに「おすすめサイドメニュー」などとして取り合わせる離乳食メニューが提案されているものもあり、献立作りの参考にもなります。

ベビーフードにはよい点も、気を付けたい点もあります。

ベビーフードのよい点
・衛生的である
・消化吸収がよい
・調理者の手間が省ける、など


気を付けたい点
・多種類の食材が混ざった製品ではそれぞれの味や固さがわかりにくい
・製品によっては赤ちゃんが噛んだり飲み込んだりする力に対して、かたすぎたりやわらかすぎたりする可能性がある

ベビーフードは組み合わせを考えて食べさせれば、栄養量は十分に摂ることができます。食材のそれぞれの味や食感を味わってもらうため、カットしたフルーツや、おとなのみそ汁や煮物から具材を取り分けてみるなど、手作りの食材を組み合わせるのはおすすめです。
また、赤ちゃんの食べ方をみて、食品の固さやとろみが適切かを確認しましょう。固そうにしていたらつぶしてあげて、もっちりしすぎて食べにくそうにしていたら水分でのばしてあげます。

ベビーフードを上手く利用するポイント。

●原材料名を確認しましょう
ベビーフードを選ぶときは、原材料名を確認して、ごはんや麺類などの「主食」、野菜を使った「副菜」、たんぱく質性食品の入った「主菜」なのかを意識してみましょう。
「主食」、「主菜」、「副菜」の食材が入ったベビーフードでも、1袋(1瓶)が1食分にちょうどよい分量とはかぎりません。いつも食べている量や赤ちゃんの食べっぷりから判断して、足りない部分を足したり、必要な分だけ取り分けたりして使いましょう。

●おとなが味見をしてみましょう
食べさせるときは、おとなの方がまずひと口味見をして、味や固さ、温めた場合は温度も確かめましょう。

●不足しやすい栄養素の補完役として 
不足しやすい鉄などの栄養素が添加されたベビーフードを利用すると摂りにくい栄養素が手軽に取り入れられます。

●献立を1品増やしたり、献立に変化をつけたいときにも
赤ちゃんが好む甘味として、果物のベビーフードを添えたり、フリーズドライの野菜などを水分で食べやすい固さにのばすと簡単に1品増やせます。
米がゆばかりでなく麺類も経験させたいときに、ベビーフードの麺を使うと、塩抜きの手間が省け、短時間で赤ちゃんに合ったやわらかさになります。

●外出や旅行、時間のないときに
外出先でも食べやすいカップ入りのものや、スプーン付きのもの、瓶詰めのベビーフードなどを利用すると、衛生的で安全に栄養補給できます。

●調味を手軽にしたいときに
ベビーフードの粉末のだし、ホワイトソース、混ぜご飯の素などをお湯で溶いたり、おかゆややわらかくした素材に混ぜ、全体の味付けとして使います。

ベビーフードの開封後の保存について

ベビーフードの開封後の保存については以下の点に気を付けて、衛生的に扱ってください。
①開封したらすぐに食べさせる
②保存する場合は、口をつける前に別の容器にうつしてから冷凍または冷蔵する
※パッケージの指示に従ってください
③食べ残しは食べさせない

※記事の情報は2020年12月現在のものです。