1歳半~2歳

絵本を選ぶときのポイントを教えてください。

2歳1カ月の男の子です。絵本を読み聞かせしてあげたいのですが、どんな本を選べばいいのかがわかりません。絵本を選ぶポイントなどがあれば教えてください。

お話: 絵本・児童文学作家 正岡 慧子(まさおか けいこ)

子どもの心に届くかどうかと、体の発達段階にあわせて。

いろいろな絵本があるように、子どもの興味や発達もそれぞれに違います。したがって、絵本の対象年齢に「3歳から」と書かれていたからといって、それに左右されることはありません。1歳でも、その本を楽しめる子もいますし、3歳以上でも興味を示さない子もいます。自分の子どもが、「今どんなことを知っていて、どんなことに興味をもっているのか」を観察して、子どもの反応を確かめながら、いろいろな絵本を読んであげてください。
たとえば、男の子の場合は男の子を主人公にした絵本のほうが気持ちを動かしやすいでしょうし、2歳くらいの子どもですと、食べ物や乗り物には、よい反応を示します。
また、歩いたり両足でジャンプをしたり、ボールを蹴ったり、手先が器用になる時期ですから、それにあわせて体を動かす内容の絵本を選んであげるといいでしょう。


おすすめの絵本……「ぴょーん」(ポプラ社)、「ボール、みいつけた!」(ハッピーオウル社)、「はけたよはけたよ」(偕成社)など。

ドキドキと“びっくり”が好奇心を育てる。

精神的な発達のほうから考えると、言葉に興味を持ち始め、自己表現が広がるときです。物の名前を覚えたり、お話をしてくれるようにもなります。知識を与えてくれる絵本はもちろんですが、びっくりさせてくれる絵本、ドキドキさせてくれる絵本なども好奇心を育みます。絵本のページをめくる短い時間に、あらゆる想像をめぐらせて待ち、めくった瞬間に「わあ!」とか「すごい!」という反応がわきあがってくる。この“びっくり”は、子どもの脳の発達にとてもいいことで、子どもたちの好奇心を育てていく源です。絵本を通して(もちろん絵本だけでなく実体験でも)、たくさんの“びっくり”を体験させてあげましょう。また、言葉の発達を助けるものとして、たくさんのオノマトペ(擬音)を伝えてあげてください。『わにわにのおふろ』(福音館書店)などにはたくさんでてきます。
また、2歳頃は「いやいや」「自分がやる!」などのわがまま期に入ることもありますので、それにあった絵本を選ぶのもよいことです。


おすすめの絵本……「コロちゃんはどこ?」(評論社)、「ふうせんねこ」(福音館書店)など。

※記事の情報は2021年1月現在のものです。