肥満傾向があるかは「身体発育曲線」のカーブで判断してみましょう。
一般的には幼児期は乳児期よりも体格がスリムになる時期です。
1歳頃までの肥満の多くは、幼児期(小学校入学頃まで)には自然と解消していくので将来の肥満との関連は少ないのですが、幼児期の肥満は学童期、思春期の肥満と関連し、成人の肥満へとつながりやすいといわれています(※1)。
体脂肪が減っていく幼児期に体脂肪が増えている状態であるというのは、肥満になる心配がありますが、太り気味だとしても、成長とともに標準的な体格になってきているのか、それとも幼児になっても体重増加が多いのかを確認しましょう。
そのためには1歳半健診時と3歳健診時の身長・体重を、母子健康手帳にある「身体発育曲線」のグラフにつけて成長曲線のカーブに沿って伸びているのかをみます。
■気を付けたい傾向
体重増加のカーブの傾きが標準より大きく、体重増加も多い場合は注意しましょう。
発育曲線の見方がよくわからない場合や、身長の伸びがあるときから横ばいの場合は、医師に相談しましょう。
3歳までの食生活で将来の肥満が決まるわけではありません。生活習慣を振り返り、改善点があれば取り組みましょう。
病気などではなく、食べる量が運動量を上回っている場合の体重増加過多や肥満は、食事や生活習慣を変えることで、いつでも改善できます。3歳までの食生活で将来肥満になるかどうかが決まってしまうわけではないので安心してください。
肥満になりやすい生活習慣は、以下の3つが報告されています(※2)。
・睡眠時間が10時間以下
・座ってテレビを観るなど、動かない時間が1日2時間以上ある
・ジュースや清涼飲料水をよく飲む
肥満を改善したい場合は、以下に取り組んでみましょう。
①1日3食規則正しく食べ、量も適量に
ひとりひとり必要な量はちがいますが、平均的な体格の3歳なら1食のめやす量は【主食】ごはんなら110g程度/【主菜】肉・魚なら30~40g、卵なら1個、豆腐なら100g/【副菜】70~90g
②体を動かす
保護者の方もいっしょに楽しく行いましょう。
③間食は量と時間を決める
3歳なら1日1回150~250kcalがめやすです。
④ジュースは控える
水分補給は水か麦茶にします。
わからないことがあったら、医師などに相談してみましょう。
(※1、2)参考…日本小児科学会「幼児肥満ガイド」