子どもの成長に合わせて備える室内の事故
小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)
おとなも緊張がゆるむ家の中は事故が起こりやすい場所。とはいえ、家の中では子どもを見ながら家事などをこなさなければならず、ずっと手を離さず生活することはできません。
ここでは月齢や発達の段階によって起こりやすい事故のポイントを紹介しています。よく見ていても、一瞬のスキに事故は起こるもの。事故が起こる前にあらかじめ対策が立てられるよう、ふだんから情報に目を通して、対策しておくことが必要です。
お家の中をチェックしてみよう
室内事故 ここに注意
ねんねの頃(~4カ月ごろ)
まだ自分でからだを動かすことができない赤ちゃんは、ふとんやうつぶせ寝が原因で窒息する危険があります。ミルクやおっぱいを吐いてつまらせることも。足の力で体が移動することもありますので、まだ動かないと思わず、ベッドの柵は必ず上げること、またソファなどに寝かせて離れないように。やわらかすぎるふとんも窒息事故の元です。
寝がえり~おすわりの頃(4~7カ月頃)
物を手でつかめるようになるこの頃から、誤飲に気をつけましょう。3~4cm径の大きさのものでも窒息の原因になることが。あそびのつもりでやっていることが思わぬ事故になるので、手の届くところにポリ袋などをおくことも危険。この時期は成長が著しく、寝がえりや足の力で遠くまで移動することもあります。
おすわり~ハイハイの頃(7~12カ月頃)
ハイハイができるようになると、台所やお風呂場などへあっという間に移動します。つかまり立ちが突然できたりする子もいて、高いところを乗り越えることも。また、おとなのことをよく見ていて、扉を開けたり、物を出したりします。薬や洗剤など危険なものがある場所には鍵などをつけましょう。お風呂場やトイレのドアは必ず閉めて、あれば鍵をかけましょう。洗濯機の蓋も必ず閉めて。
たっち~あんよの頃(1歳~2歳頃)
転倒・転落の危険がとくに増えるのがこの頃から。窓際に踏み台になるようなものがないか、すべりやすいものはないか、ベランダに簡単に出られるようになっていないかチェックを。引き出しやドアに指を挟んだりする事故も多くなる時期です。また、口に食べ物を入れたまま走り回るのも、誤飲や窒息、口や喉に刺さるなどのけがにつながるおそれがあります。
※記事の情報は2023年4月現在のものです。