暑さに負けない、赤ちゃんの体調管理
小児科医 竹内 邦子(たけうち くにこ)
梅雨明けとともに真夏日が続くことが多く、赤ちゃんにとっても体調を崩しやすい季節です。夏の生活ポイントと、注意したい病気について知っておきましょう。
夏を元気に過ごすポイント
生活リズムを整えましょう
体力を消耗しやすい時期なので早寝早起きを心がけ、外遊びは日差しのやわらかい午前に。おでかけも赤ちゃんの体調を見て無理しないようにしましょう。
こまめな水分補給
意識してこまめに水分補給を。離乳食開始前~中期頃までは、母乳やミルクをたっぷりと、後期からは麦茶など甘みをおさえたものがいいでしょう。
皮膚の清浄を
汗によってあせもなどの皮膚トラブルや、睡眠の質が悪くなることがあります。汗をかいたらからだをふいたり、シャワーを浴びましょう。汗で濡れた服を着替えることも大切です。
気をつけたい熱中症と、上手な冷房の使い方
熱中症
気温と湿度が高く、汗が出ないために体温が上がってしまう状態です。初期の段階では顔が赤くなり、からだが熱くなります。息がハアハアすることも。すみやかに涼しい場所に移動し水分補給を。ベビーカーの赤ちゃんは放射熱でおとなよりも暑い思いをしていますし、窓際のベビーベッドも注意が必要。また短時間でも車内に放置することは絶対にしてはいけません。
上手な冷房の使い方
昨今の猛暑を考えると、冷房はためらわずに使ってほしいですが、冷房の冷気に長時間あたることで血行が悪くなり、元気がなくなることもあります。冷風がからだに直接あたらないよう気をつけ、扇風機などで風の流れをつくる工夫を。就寝時の赤ちゃんは汗をかきやすいので、タイマーなどを上手に使いましょう。
知っておきたい夏に流行する風邪
夏風邪は高熱になりやすく、まれに合併症を起こすこともあります。始めは熱だけで、あとから口の中の症状や皮膚の症状が出てくることがあります。症状が増えたり変わって心配なときは、病院で診察をうけましょう。
手足口病
手のひら、足の裏、口の中などに米粒大の水ぶくれや発疹がでます。手足の発疹は痛みがないのが普通ですが、口の中は痛くて飲食ができない場合も。熱は平熱の場合もありますが、高熱になることもあります。
ヘルパンギーナ
突然高熱が出て1~2日続きます。のどの奥に複数の水泡ができるのが特徴です。しみて、とても痛いため、水分がとれず脱水症状になることもあります。
プール熱
正式には「咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症のひとつ)」。高熱が4~5日続き目が充血する場合もあります。のどが痛く、頭痛や下痢を伴うことも。プール熱ともよばれますがプールに入らなくてもかかります。
※記事の情報は2024年7月現在のものです。