3歳~5歳

虫歯になりやすい、なりにくいおやつってありますか?

3歳です。お友だちの家であそぶときや、祖父母に会うとお菓子をもらうことが増え、虫歯が心配です。虫歯になりやすい、なりにくいおやつはありますか?

お話: 歯科医師 丹野 可奈子(たんの かなこ)

砂糖が多く、長時間口に残るお菓子は要注意です。

虫歯菌は、糖分(主に砂糖)をえさにして歯を溶かす酸を作ります。ですので、「砂糖(ショ糖)を使っているお菓子」は、虫歯になりやすいといえます。一番は、キャラメルのような歯にくっつきやすいものや、キャンディやガムのように長時間口に入れているもの。次にリスクが高いのが、歯の溝に残りやすいチョコレートやクッキーなどです。

逆に、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品、ふかしたとうもろこしやいも類、スティック状に切った野菜、季節の果物(厳密には糖分が含まれますが、ショ糖より虫歯になりにくい「果糖」が含まれています)、せんべい、するめ等は、虫歯になりにくいおやつと言えます。ただし、油分の多いものは、肥満など別のリスクがありますので、食べすぎには注意してください。

砂糖の量よりも、食べる時間や頻度に気を配って。

また、含まれる砂糖の量よりも気を付けてほしいのが、食べる時間や頻度です。時間や頻度が多ければ、それだけ歯に砂糖が付いている状態が続くからです。

子どもにとってのおやつは、栄養を補うための食事の一部でもあります。歯の健康を考えておやつを与えないのではなく、楽しみとして少量かつ長時間口に残らない甘いもの、プラス、栄養面でもすぐれた野菜やおにぎりなどがよいと思います。

ただ実際には、お友達や、おじいちゃん・おばあちゃんなどからもらったお菓子をその場で食べる、もしくは食べないと気まずい状況になるということも多いはずです。
外出先でも、お菓子を食べたあとにお茶で口の中を軽くすすぐ、または状況が許せばブクブクうがいをすることで、食後の口の中に残った食べ物をある程度は洗い流すことができます。

もちろん、歯に付いている歯垢(プラーク)はうがいでは落ちないので注意が必要ですが、歯にくっついた食べかす(細菌のはたらきでいずれ歯垢のもとになるもの)を流すことは全く何もしないよりは、むし歯予防に少なからず意味があるといえます。

飲み物で気を付けたいのが「スポーツドリンク」。

また、意外と見落とされがちなのが「飲み物の中の糖分」についてです。

甘いものは食べさせていません、という家庭でも、聞いてみると効率的な水分摂取(熱中症予防)のために水分補給はスポーツドリンクにしている、というケースがありました。スポーツドリンクは清涼飲料水に分類され、500ml飲むだけで一日の糖分量を超えてしまうものも多いです。

また水分補給ということで、だらだらと時間を決めず長時間にわたり飲み続けることになり、結果的におやつの時間だけお菓子を食べる子より虫歯リスクが高まることも。これは、野菜ジュースや100%果汁のジュース、フレーバーウォーター(甘みや香りが添加されたもの)も同様です。
脱水が起こっていない健康なときは、水分はお茶か水で充分です。

※記事の情報は2025年5月現在のものです。