いろいろな食材を食べられると子どもの体験の幅が広がります。
菜の花やモロヘイヤからでないととれない栄養があるわけではないので、人参やトマト、もやしが中心でも問題はありませんが、いろいろな食材を食べられることは子どもの体験の幅を広げます。
家族でいっしょに食べてみたり、量を加減してあげるなどして経験させてあげられるといいですね。
人間はいろいろな食材を食べる生き物です。初めて食べるものについては「食べても大丈夫なのか」、「毒性はないのか」と警戒し、確認して、安全なものを選んで食べてきたという歴史があります。
子どもは生まれて初めての食材がたくさんあるので、最初は警戒して、「食べたことがないから嫌い」という「食わず嫌い」があります。当然のことです。
新しい食材も、一度食べなかったからと出すのをやめずに、登場回数を増やしてみると、意外と食べることもあります。
食べるときに家族やきょうだい、または保育園や幼稚園の先生や友達などがおいしいといいながら食べているのを見ると、自分も食べてみようかなという気持ちになりやすいものです。
初めてのものや嫌がっていたものを少しでも食べられたら、ほめてあげてください。
食材のことを知ったら、食事がもっと楽しくなるかもしれません。
日本には旬の野菜があり、冬至のときのかぼちゃや柚子、おせち調理に入れるくわいやごぼう、十五夜のときの里芋など年中行事の時に食べる野菜もあります。
菜の花は春を感じる野菜として、ひなまつりのときに桃の花といっしょに飾ったり食べたりしますね。
モロヘイヤは海外から入ってきて流通するようになった夏の野菜ですが、エジプトなど中近東で昔から食べられていて、クレオパトラが愛したともいわれています。
4歳でしたら、おとなの話の内容も理解できるようになってきているので、お子さんの理解力に合わせて、食卓にのせた食材のこともお話してあげてはどうでしょうか。
季節のこと、日本の行事のこと、外国で食べられていたこと、保護者の方の思い出のことなどを話題にし、食材のことを知ったら、食事がもっと楽しくなるかもしれません。
いろいろな味に慣れておとなになったら、いろいろなものがおいしく食べられるようになることを話してあげましょう。
新しい食材を体験することは子どもの心の成長にもつながっていきます。
初めての食材や好まない食材をはげまされながら食べたこと、がんばって食べられたときの達成感、おとなにほめてもらってうれしかったことは、お子さんの心にとって大切な経験です。それは自分にもできるという自信になり、やる気になります。
これから成長していく子どもは、初めてのことや苦手なことにたくさん出会います。いろいろな食材を体験することは、食事以外の場面での子どもの成長につながっていくと考えて、少しずつ食材の幅を広げられるとよいですね。
※記事の情報は2021年4月現在のものです。