風邪や具合が悪いときの離乳食~症状別のポイント~
管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
体調が悪いときは赤ちゃんの食欲が落ちて心配ですね。離乳食をすすめていても決して無理はせず、食欲と症状に合わせて食べさせるようにしましょう。5、6カ月頃は母乳やミルクが飲めていたら、それだけでも大丈夫です。症状がひどい場合は、必ず病院へ受診するようにしましょう。
目次
風邪・発熱のとき
風邪などで熱が出ていて食欲が落ちている間は、ごはんは無理に食べさせません。汗をかくので、湯冷ましや麦茶などで水分補給はしっかりしましょう。
症状が落ち着いても、ふだんより胃や腸が弱っています。負担をかけないように、まずは水分といっしょにビタミンなどの栄養が補給できる、温かいスープなどがおすすめです。
食欲が出てきたら、いつもよりやわらかくし、消化やのどごしをよくして少しずつあげて様子を見ましょう。おかゆやうどん、根菜などの消化がよい食材を選び、加熱時間を長くするなどしてやわらかく調理し、細かく切ってあげるとよいでしょう。例えば、1歳頃のお子さんなら、9~11カ月頃くらいの大きさややわらかさがめやすです。主食や野菜類が食べられたら、豆腐や白身魚、ササミなど消化の良いたんぱく質を少しずつプラスしていきましょう。
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おすすめ食材
りんご、いちご、かぼちゃ、人参、うどん etc.
NG食材
脂肪の多いもの、酸味の強いもの etc.
※離乳食は1つ前の月齢の形状・やわらかさに戻して、与えます。
下痢のとき
ミネラルや水分が奪われるため、脱水症状にならないように体温と同じくらいの温度の湯冷まし、麦茶、市販の乳児用イオン飲料などをこまめに与えましょう。胃腸が弱っているので、食事はやわらかくしたおかゆやうどんから始めます。 ただ、米がゆやうどんだけを続けると、回復が遅れることになるので、下痢が治まってきたら2~3日程度でもとの離乳食に戻すようにしましょう。
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おすすめ食材
りんご、人参、かぶ、豆腐、白身魚 etc.
NG食材
乳製品、柑橘類、きのこ類、油脂類 etc.
※離乳食は1つ前の月齢の形状・やわらかさに戻して、与えます。
嘔吐のとき
吐き気がおさまるまで食事はひかえましょう。水分補給は、嘔吐が起こらないことを確認しながら、湯冷ましや麦茶、市販の乳児用イオン飲料などを少しずつ(スプーン1杯から)与えていきます。吐き気が治まったら、食欲に合わせて野菜スープ、米がゆ、マッシュポテト、煮込みうどんなどを食べさせましょう。
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おすすめ食材
りんご、人参、じゃがいも、豆腐 etc.
NG食材
柑橘類、きのこ類、脂肪が多いもの etc.
※離乳食は1つ前の月齢の形状・やわらかさに戻して、与えます。
便秘のとき
水分の量を意識的に増やしたり、食物繊維を含む食材を加えてみましょう。いつも決まった時間に食事をとることも効果的です。
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おすすめ食材
柑橘類、プルーン、さつまいも、ヨーグルト、納豆、豆類、海藻、バター・植物油などの油脂類、寒天ゼリー etc.
口内炎のとき
赤ちゃんは母乳やミルクを飲んだり、離乳食を食べたりすると痛みを感じるので、食欲が低下しやすくなります。たんぱく質や脂質を含んだ栄養価の高いものを少量ずつ、回数多く食べさせましょう。口あたりがよいものをうす味に仕上げて、体温程度の温かさにすると食べやすいです。
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おすすめ食材
卵豆腐、茶わん蒸し、クリーム煮、マッシュポテト、煮豆腐 etc.
NG食材
熱すぎるもの、冷たすぎるもの、酸味が強いもの、かたいもの、パサつくもの etc.