12~18カ月頃

食欲が旺盛で、もっと食べたいとせがみます。

1歳3カ月の女の子です。最近食べられるものが増え、自分の離乳食を食べ終わっても親の食事を欲しがります。つい取り分けてあげてしまいますが、食べさせ過ぎでしょうか。

お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)

体重が増えすぎていなければ、食事量を増やしてもOK。

食欲が旺盛なのは、家族そろっての食事が楽しい時間になっているということで、とてもよいことです。
以下のような状況であれば、食べたがるところまで食べさせてかまいません。
●太りすぎや、著しい体重増加はない
(お子さんの身長・体重の成長が母子健康手帳などに掲載されている「乳幼児身体発育曲線」のカーブに沿っているかどうかで確認しましょう)
●穀類・たんぱく源・野菜類のそろった献立を出している
●適度なかたさや大きさのものを食べている

いつも「もっと食べたい」と訴えるのでしたら、主食・主菜・副菜それぞれの量を少しずつ増やしてあげたり、全部食べたらおかわりしてもらうようにするとよいでしょう 。

「自分の分を食べる」ことを少しずつ教えてあげましょう。

ただ、まだ満腹中枢の働きが未発達な時期なので、おなかがいっぱいになったことを感じにくく、おかわりを何回もしたがったり、親の分まで食べたがったりすることもあります。
充分な量を子どもが食べていると思ったら「ごちそうさま」をして、「おなかがいっぱいになったね」と声をかけて、満腹感を意識させてあげましょう。

軟飯やごはんにいろいろな食材を混ぜた1品の丼よりも、ごはんとおかず、汁物などを分けた品数のある献立のほうが、よくかんで食べ、満足感が得られやすいです。

食事は「自分のお皿のもの、自分の適量を、自分で食べる」ということを、だんだん教えていきたいものです。親の食事を取り分けてもらって、うれしかったことが楽しい思い出になることもあると思います。絶対にいけないわけではありませんが、習慣にしないようにしていったほうがよいでしょう。

子どもにとって危険な食材は欲しがってもNG。

気をつけたいのが、おとなは平気でも、発疹が出たり、病原菌に感染したり、かむことや飲み込むことが未熟なため危険だという理由で、子どもには向かない料理や食材もあるということです。
次のような食材は、欲しがっても与えないようにしてください。

●生もの
…3歳頃までは刺身、うに、いくら、生卵、ローストビーフなどは避けましょう。

●食物アレルギーがあるか確認していないもの
…えび、かに、貝類などはアレルギーを確認してからあげましょう。

●漬物、佃煮などの食塩の多いもの
●甘味の強いもの
●カフェインが多く含まれるもの
…幼児期は避けたほうがよいです。

●そのまま飲み込み、窒息のおそれがあるもの
…ミニトマトやぶどう、キャンデーチーズなどは丸のままあげないようにしましょう。

●水分がなくかたいもの
…生りんごや生人参など。薄く切るなど食べやすい工夫を。ナッツは5歳以下は避けましょう。

●弾力があり、窒息のおそれがあるもの
…こんにゃく、もちは3歳頃までは避けましょう。

※記事の情報は2021年2月現在のものです。