下痢の間は水分補給を。食材はかたさ・大きさを「ひとつ前の時期」に。
下痢をしていても食欲があって機嫌がよいなら、離乳食は食材のかたさや大きさをひとつ前の時期に戻してみて様子を見ましょう。量もいつもより増やさないように。
食欲がなければ、無理せずに湯冷ましなどを少しずつ飲ませ、水分補給を。下痢がひどくなったり、なかなか治まらないときは中止して、医師に相談しましょう。母乳やミルクはあげて大丈夫です。
9~11カ月頃
9カ月の男の子です。体調を崩したときは、どのように進めればよいのでしょうか? おなかにくる風邪をひいたようで、下痢が続いています。離乳食は中断したほうがよいでしょうか? またふつうの離乳食にはいつ頃戻せばよいのでしょうか?
お話: 管理栄養士 坂 弘子(さか ひろこ)
下痢をしていても食欲があって機嫌がよいなら、離乳食は食材のかたさや大きさをひとつ前の時期に戻してみて様子を見ましょう。量もいつもより増やさないように。
食欲がなければ、無理せずに湯冷ましなどを少しずつ飲ませ、水分補給を。下痢がひどくなったり、なかなか治まらないときは中止して、医師に相談しましょう。母乳やミルクはあげて大丈夫です。
離乳食を再開するときは、薄く塩味を付けた重湯やおかゆ、野菜スープやりんごのすりおろしからあげてみましょう。食べさせてみて下痢がひどくならなければ、人参やじゃがいも、豆腐や白身魚などをあげていきます。
あまり食事制限が長引くと、栄養不足で体力が低下してしまいます。下痢が治まり食欲が戻ったら、2~3日を目途に元の離乳食に戻していきましょう。
・発熱の場合
少々熱があっても、食欲があって機嫌がよいなら、脱水症予防のために十分な水分補給を心がけながら、離乳食はそのまま続けます。熱の原因はさまざまあるので、念のために小児科医を受診して、離乳食の与え方を含め相談するのがおすすめです。
呼吸困難やぐったりしているときなどは誤嚥の恐れもあるので、離乳食は中止して、すぐに受診しましょう。
・かぜの場合
かぜをひくと胃腸の働きも弱くなり、食欲が落ちたり下痢や吐き気を伴ったりすることもあります。食欲が落ちてきたときは、一時的にスープ、ポタージュ、乳幼児用のイオン飲料といった水分補給になるものや、やわらかく煮たうどんやおじやなどの、のどごしのよいものを食べさせます。脂肪の多いものや酸味の強いものは避けて。
かぜの症状が重い場合や長引く場合は、早めに受診しましょう。食欲不振、下痢、吐き気などの消化器症状や発熱がなく機嫌がよい場合は、離乳食はそのまま続けてかまいません.
・吐き気、嘔吐の場合
吐き気があるときは離乳食を食べられないことが多く、また誤嚥する恐れもあるので、水分だけを補給して様子を見ます。
嘔吐直後に水分を飲ませると、嘔吐を誘発することがあるので、少し落ち着いてから飲ませるようにしましょう。飲ませるときはスプーン1杯くらいから、嘔吐が起こらないことを確認しながら、少しずつ増やしていきます。
吐き気がおさまれば、離乳食を与え始めてかまいません。嘔吐が続く場合や、下痢などの症状を伴う場合は小児科医を受診しましょう。
・便秘の場合
便秘とは、便が硬い、排便時に困難を伴う、3日以上排便がない、また毎日排便があってもコロコロ状であるような場合をいいます。
原因としては、母乳や育児用ミルクの不足、離乳食の量の不足、食物繊維の不足のほか、病的な原因(腸の感受性や腸管の異常、心理的なもの)のこともあります。病的な原因の場合は、医師の治療にゆだねましょう。
排便を促す食品としては、柑橘類やプルーン、さつまいも、オートミール、ヨーグルト、納豆、海藻、バター・植物油などの油脂類、寒天を使ったゼリー類などがあります。
・口内炎の場合
アフタ性口内炎、ヘルパンギーナ、手足口病などにかかると、口のなかの粘膜に斑点や水疱ができます。多くの場合、母乳やミルク、離乳食を食べたり飲んだりすると痛みを感じるので、食欲が低下して脱水気味になります。
栄養価の高いものを少量ずつ、回数を多く食べさせるようにしましょう。口当たりがよく、咀しゃくの必要のないものをうす味に仕上げ、酸味はひかえて、温度は体温程度にします。卵豆腐、ミルクゼリー、マッシュポテト、煮豆腐などが食べやすいです。食後は湯ざましを飲ませるとよいでしょう。
※記事の情報は2023年2月現在のものです。