今までに食べたまぐろはほとんど心配いりません。
海の生き物の中で、食物連鎖の上位に位置する大型の魚類(まぐろ、かじき、きんめだいなど)やくじらなどには、比較的多くの水銀(メチル水銀)が蓄積されています。この水銀は胎児に影響をおよぼす可能性があることが報告されています。
しかし、母体を通じて赤ちゃんに水銀が取りこまれるのは、胎盤ができ上がる妊娠4カ月頃から。それまでに母体が摂取した水銀は代謝・排せつされるので、妊娠に気づいてから食べる量や食べ方をコントロールすれば、ほとんど心配はいりません。
これからはめやす量にしたがって食べればOK。主食や野菜もバランスよく食べましょう。
厚生労働省によって注意が必要とされている魚介類は、くろまぐろ、めばちまぐろ、きんめだい、めかじき、まっこうくじらなど。これらは1週間に1回、80g(およそ切身1切れ)まで。みなみまぐろ、きだい、まかじきなどは80gを週2回までと、めやす量が示されています。これをめやすに食べ、この量を超えてしまったと感じたら、次の週は食べるのを控えるなどしてコントロールしましょう。
その他の魚介類や、まぐろの中でもきはだまぐろ、びんなが、めじまぐろ、ツナ缶については、通常どおり食べて問題ないとされています。
魚は良質なたんぱく源であり、子どもの脳の発達を促すDHAやEPA、ミネラルなどを多く含む、重要な食材です。食べる量に気をつけ、バランスのよい食生活を心がけるとよいですね。
母乳や離乳食への影響もほとんどありません。
お母さんの母乳には、母体からの水銀の移行はとても低いことがわかっています。赤ちゃんが生まれたら、とくに魚を食べる量をコントロールする必要はなく、通常どおり食べてかまいません。また、子どもも成人同様に水銀の排せつ機能があることがわかっています。むやみに魚介類を避けたりせず、かたよった食生活にならないようにしましょう。
参考文献①:厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて」(平成22年度)
参考文献②:厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて(Q&A)」(平成22年度)
※記事の情報は2019年11月現在のものです。